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ミニヨコハマの市長は16歳

2007年10月16日

 横浜市にいるもう一人の市長を知っていますか――。19歳以下の子どもたちで組織された「ミニヨコハマシティ」。県内に300人近い市民がいるこの街の市長は、高校1年生の三浦絢佳さん(16)だ。3月に選挙で選ばれてから、子どもだけで仕事や遊びが体験できる小さな街を作ったり、環境問題を考えたりと、さまざまな活動をしてきた。17日には、活動の報告などを行うシンポジウムを横浜市内で開く。

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ミニヨコハマシティ市長の三浦絢佳さん(右)と副市長の木原正絵さん。ともに3月の選挙で選ばれた=横浜市都筑区で

 ♪うまれたばかりのこのまちで、さあ何しよう、何つくろう……

 市営地下鉄センター南駅前の広場に、今月7日の日曜日、ミニヨコ市民の元気な歌声が響いた。ラップ調の軽快な曲名は「ミニヨコ最高!」。詞も曲も、ミニヨコ市民が協力して作った。ダンスの振り付けは専門家に頼み、5月から準備を重ねた。この日のステージは15分。「緊張したあ」「楽しかった」。ダンスを終えた20人の子どもたちからは笑顔がこぼれる。「準備や練習で、夏休みはどこにも遊びにいけないくらい忙しかったけど、みんなでやり遂げると、すごく達成感があります」と、副市長の木原正絵さん(12)。

 三浦さんは「大変なこともあるんだけど、一つが終わると、さあ次は何をしようとみんなで考えるのが楽しい」と話す。市長になって約7カ月。4月には子どもが置かれている環境を考える「こども環境学会」で、大人に交じって活動報告をしたほか、8月にはショッピングセンターの中に小さな子どもの街を1日だけオープン。小さいながらも市役所、銀行、学校、ハローワークなどを備え、ミニヨコ新市民を増やした。また、横浜市役所の見学など、まちづくりの参考になる活動にも力を入れている。

 ミニヨコハマシティを主催するのはNPO法人「I LOVEつづき」。岩室晶子事務局長(46)は「大人のルールや既成概念にとらわれない自由なまちづくりが目標。何でも話し合いで決めていくことで、最初は発言しなかった子も意見を言うようになる。7カ月でみんなずいぶん成長しました」と話す。

 モデルはドイツの「ミニミュンヘン」というイベント。隔年の夏休みに子どもたちで運営され、就労や政治、都市計画などの疑似体験ができる。子どもによるミニシティは千葉県佐倉市や札幌市、名古屋市など、全国的にも広がりを見せているという。

 「他のミニシティを見学したいし、来年の夏は、ミュンヘンで日本の文化を紹介したい」。三浦市長の頭の中は「次の目標」でいっぱいだ。

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