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コミミ口コミ鉄道

鉄道床屋、快走中

2007年10月20日

 扉を開けると「昭和レトロ」な列車内のよう。奥では駅員姿の理容師がチョキチョキ――。店主の渡辺和博さん(37)が収集した鉄道グッズを並べた理髪店「BB つばめ」=東京都清瀬市松山1丁目。鉄道ブームを追い風に、30日で2周年。子どもたちを集めて鉄道旅行をしたり、客が鉄道部品を持ち込んできたりと、「輪」が広がっている。

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散髪する渡辺和博さん。格好も駅員のようだ

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「つばめ」の店内。手前にあるのは列車の座席=清瀬市松山1丁目で

 「両国の大鉄道博覧会行った?」。髪を切りながら、客の中学生と話が弾む。はさみを持つ渡辺さんは駅員の帽子をかぶり、20年前にJR東日本が発足した時のシャツを着ている。

 列車内をイメージした店内には、行き先表示板や運転席のハンドルなどの部品が、あちこちに飾ってある。鉄道会社の「部品市」などで買い集めた品々だ。

 「鉄っちゃん」と言われる鉄道マニアにも、いくつかタイプがあるという。渡辺さんは「乗り鉄です」。鉄道の旅が好きで、小学5年のとき初めて1人で夜行列車に乗り、福島県まで行った。中1で北海道へ渡った時は、親に「家出ではない」という証明書を持たせてもらった。

 「大事にしてくれる」とわかると、収集品を譲ってくれるマニアもいる。店の待合所にしている列車シートもその一つ。鉄道好きで知られる千駄木の和食店主が亡くなった時、「転売しない」との条件付きで譲り受けた。

 父も埼玉で理髪店をしていた。よその店で15年ほど修業した後、父の店を改装して「鉄道床屋」にしたいと頼んだが、職人気質の父は頑として認めてくれなかった。清瀬に店を開く前に他界し、「見せられなかったのが残念」と語る。

 店は原則、予約制だ。鉄道の話を楽しむ時間も入れて、2時間ほど予定しておく客もいる。それでも「全国の鉄道ファンが1人ずつ来てくれれば十分やっていける」と笑う。実際、水戸や宇都宮から定期的に来てくれる客もできた。

 夏休みと春休みには、子どもたちを集めて「つばめツアー」を開く。この夏は秩父鉄道を走る蒸気機関車に乗った。さいたま市に開館した鉄道博物館にも、「遠回りしてたくさん電車に乗りながら」、みんなで行くことにしている。

 理髪店つばめ(電話042・492・8430)は木曜定休。

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