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コミミ口コミグルメ

せんべい汁、冷やしラーメン……東北B級グルメ

2007年11月11日

 うまい、安い、地元ならではの味付け――。東北には「B級グルメ」と呼ばれる食べ物が数多くある。青森・八戸せんべい汁、秋田・横手やきそば、山形・冷やしラーメンといった代表格に、宮城・気仙沼ホルモンなどの新興勢力も台頭してきた。街おこしの期待を担ってきたB級グルメだが、そろそろ乱立気味になっており、起爆剤にするには一工夫必要なようだ。

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ニンニクみそで味付けした豚ホルモンを炭火で焼いて食べる気仙沼ホルモン。左手に持つのは「ご飯」ではなく「キャベツ」=宮城県気仙沼市で

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目玉焼き、福神漬けがのった横手やきそば

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新商品の塩味の八戸せんべい汁(手前)を振る舞う木村聡・八戸せんべい汁研究所事務局長(奥右)=青森県八戸市で

 生鮮カツオの水揚げ日本一を誇る宮城県気仙沼市。仙台市から車で2時間以上かかる港町で今年、「気仙沼ホルモン」がブームになっている。

 ニンニクたっぷりのみそダレに漬け込んだ豚ホルモンを炭火の七輪で焼き、千切りキャベツと一緒に食べる。これが気仙沼ホルモンだ。1人前で400円前後。店によってキャベツはおかわり自由で、好みでウスターソースをかける。ホルモンの脂っこさがキャベツで中和される。

 豚肉の食肉処理場があった名残で、気仙沼ではホルモンを食べる習慣があった。昭和30年代、県外客が市内で食べたホルモンに感動して店を開き、漁船員らに広まったらしい。キャベツは野菜不足になりやすい船員の栄養を考えて一緒に出すようになったようだ。

 転機は昨年10月。気仙沼の新名物をPRしようと地元の若者が「気楽会」という組織を立ち上げ、B級グルメの仲間入りに一役買った。「ホルモンは地域に根付いた食文化。こんな食べ方をする地域は他にない」。メンバーの小山裕隆さん(30)はホルモンを売り込むことに決めた。

 今夏、気仙沼ホルモンを出す市内11店舗を紹介する食べ歩きガイドマップを作成した。地元メディアにも取り上げられ、県内での知名度が上がった。今では東京からも問い合わせがあり、市内には新たに3店舗が出店。仙台市内にも気仙沼ホルモンを出す店ができた。小山さんは「ゆくゆくはホルモン文化発祥の地とされる大阪とのホルモン王決定戦を実現したい」と意気込む。

 東北のB級グルメは、八戸せんべい汁と横手やきそば、福島ギョーザを抜きには語れない。

 江戸末期から伝わる八戸せんべい汁は、青森県南部と岩手県北部の地域に伝わる家庭料理だ。鶏肉や野菜でだしをとったしょうゆベースの汁に、南部せんべいを割って煮込む。

 99年、八戸市の第三セクターで土産物の商品開発に携わっていた木村聡さん(43)がおみやげとして商品化したところ、ヒット作に。木村さんは03年、八戸せんべい汁を全国区にするために市民団体「八戸せんべい汁研究所」を設立。幅広いPR活動に取り組む。八戸市内の取扱店は150軒から189軒に増加した。地域団体商標に出願中でブランド確立をめざしている。「東北新幹線が新青森まで延伸しても、観光客が八戸せんべい汁を目当てに途中下車するようにしたい」

 横手やきそばは、お好み焼き屋の主人がおよそ半世紀前に考えたのが始まりとされる。ゆでめんを使い、目玉焼きをのせるのがポイントだ。軟らかいものを好む土地柄で市民権を得たという。一皿500円程度の安さも受けた。市長認定の「横手やきそば職人」を養成。現在、職人45人が全国にやきそばの魅力を発信している。

 福島ギョーザは中国東北部からの引き揚げ者が現地で食べた焼きギョーザに由来する。円盤状に並べ、野菜より肉が多く、一人前で20〜30個という多さだ。商工会などが注目し、03年、市内14のギョーザ専門店が「ふくしま餃子(ギョーザ)の会」を立ち上げた。高橋豊会長(54)は「昼間も食べるギョーザとして市民に認知してもらいたい」。百貨店やスーパーで実演販売し、県外客向けにギョーザマップを作成して、地元での人気アップに力を入れる。

 全国には少なくとも数十地域でB級グルメがあるとされる。八戸せんべい汁研究所は、全国のB級グルメが味を競う祭典「B―1グランプリ」を発案した。06年の第1回大会では横手やきそばが2位。今年の第2回大会で八戸せんべい汁が2位につけたことからも、東北はB級グルメの先進地といえる。

 昨春の商標法改正で「地域団体商標制度」が導入されたことも追い風になりそうだ。これまで、地域名と商品名を組み合わせた商標には全国的な知名度が必要だったが、隣県に知られている程度のB級グルメも商標登録できるようになった。

 とはいえ、B級グルメを使った街おこしは各地に広がっている。気仙沼のように港町でホルモンというアンバランスを売りにしても、今からトップランナーに食い込むのは容易ではない。乱立気味のB級グルメについて、コラムニストの泉麻人さんは「知る人ぞ知る、というのがB級グルメの魅力。東京で開催される物産展に参加したら魅力がなくなる。往時の街並みを再現するなどのプラスアルファのアイデアがほしい」と語る。

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