現在位置:asahi.com>コミミ口コミ> 記事

コミミ口コミレジャー

ゲーム機でも写経、心すっきり

2007年11月17日

 今、写経の人気が急上昇中だ。千葉県の成田山新勝寺の写経道場に通う人は5年で4倍近くに増えた。この春にはゲーム機で楽しめるソフトも登場した。魅力を探ろうと道場で写経を体験してみた。

写真

写経大会に臨む参加者。300人以上がいても物音一つしない=成田山新勝寺で

     ◇

 成田山新勝寺では毎日、般若心経278字を書き写す写経道場が開かれている。参加者は01年に377人だったが、5年後の06年には1348人と4倍近くに増えた。雑誌で取り上げられるなど注目を集めており、新勝寺教宣課の福田照塔さんは「30代の女性や団塊の世代を中心に訪れる人が増えている」と話す。

 人気を反映してか、ゲーム機で写経に親しむソフトも販売されるようになった。教育系のゲームソフトを多く手がけるIEインスティテュート(東京都練馬区)は、人気ゲーム「ニンテンドーDS」で写経を学べるソフトを製作、販売している。画面に表示された文字をペンでなぞる方式だ。

 客筋のターゲットは中高年層。「敬老の日や父の日などにプレゼントで贈られる場合が多い」(同社)という。

 10月、新勝寺で年2回、一堂に会して行われる写経大会には356人が参加した。墨田区から来た大学院の博士課程で国際ビジネス戦略を学ぶ男性(40)は3年前、会社勤めをしていたころから通っている。「仕事上の悩みやストレスが消えていく」とすっきりした表情で話していた。

 その言葉を聞いて自分も心を落ち着かせようと思い、写経教室に臨んだ。「色即是空」「空即是色」……。たかだか278文字と思っていたが、漢字の意味を考えながら丁寧に書き写していると意外に時間がかかる。半分ほど書き終えると集中力が続かなくなる。「これはいけない」と思い直し、再び精神集中。1時間ほどかかってようやく写し終えると、達成感と心地よい疲労感に包まれた。

 成田市内に住み、毎月1回通っているという女性(75)は「通ううちに集中力が向上してきたような気がします。物事を楽観的に考えられるようになった」と話す。

 「脳トレ」で有名な東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授は「脳は年齢とともに物事に対する『慣れ』が生じて能力が低下する。しかし、写経のように数や文字を扱う行為には『慣れ』が生じず、繰り返すことで認知症患者の生活能力を向上させる効果もある」と話している。

PR情報

このページのトップに戻る