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ニート・中年・心の病 絶望男、作家デビュー

2007年12月25日

 人付き合いに苦しみ、心の病を抱え、ニートになった「中年」作家が来年1月、デビューする。いじめ、父親の暴力、抑うつ、引きこもり。自らを「絶望男」と称し、ネットに発表してきた半生を本にした。(アサヒ・コム編集部)

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「中年」作家デビューする白井勝美さん

 作者の白井勝美さん(46)は、不登校を繰り返しながら中学校を卒業。一時、アルバイトをするが、職場になじめず自室に閉じこもる生活へ。父親が存命の時は、毎日のように暴力を振るわれた。抑うつ状態になり、今も精神科に通う。

 父親の死後、40歳ごろから、家族との関係など自分の思いを書きためてきた。2006年、ニート支援事業を手掛けるNPO法人「コトバノアトリエ」が開いた小説講座に参加。真剣に作家を目指すようになる。

 「生きづらさを抱えている若者がたくさんいる時代。自分みたいな人間が、中年になるまで生きてきたことを伝えたくなった」と振り返る。

 生い立ちから、出版に至るまでの過程を、生々しく書き連ねた。パン工場の作業が覚えられず、年下の作業員から罵声(ばせい)を浴びたこと。抑うつ状態で働けなくなった時、親類から「人間のクズ」と呼ばれたこと。ありのままをさらけ出した。

 幼い頃からいじめにあっていた白井さん、家庭内では父親の暴力におびえる日々だった。高校を卒業していないことから、仕事を探しても見つからない。現在、母親と弟との3人暮らし。家計は弟に頼っている。

 「電車を乗るにもお金がいる。夢があっても実現できない。出口が見つからない」。苦しむ自分の姿を形にした。

 本には、2007年7月から「コトバノアトリエ」が主宰するインターネットラジオ「オールニートニッポン」のサイトに発表した文章を、編集し直して掲載。新たに書き下ろしたエッセーや、作家、雨宮処凛(あまみや・かりん)さんとの対談も収録する。

 2008年1月下旬に出版予定。TOブックスが制作し、サンクチュアリ出版から発売される。

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