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銚子電鉄に「鉄子」カラー電車 菊池直恵さん考案

2008年01月03日

 経営危機に揺れる銚子電鉄(銚電、千葉県)で、漫画「鉄子の旅」(小学館)の作者、菊池直恵さんが塗色を提案した「鉄子」カラーの電車が26日、走り始めた。漫画がヒットする一方で、舞台となる地方鉄道は経営難で少しずつ消えてゆく。何とかできないか、と企画されたものだ。(アサヒ・コム編集部) 〈写真特集〉はこちら

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朝日と海にちなんだカラーで登場した電車 白い線は波を表しているという 〈写真特集〉はこちら

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銚子駅での出発式典。菊池さんが書いた「原画」を、豊岡さんが銚電幹部に贈呈

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新電車を前にポーズをとる豊岡真澄さん 〈写真特集〉はこちら

 窓から上が、鮮やかなオレンジ色、下が深い紺色。そこに白いラインがまぶしい。26日午後1時23分、銚子駅に新しい塗色の車両が到着した。鉄道ライターの横見浩彦さんら、「鉄子の旅」関係者一同が出迎えた。

 「鉄子の旅」は、国内のすべての駅に下車した経験を持つ横見さんと、菊池さんらが全国の鉄道をめぐって旅する様子を描いた全6巻の漫画。シリーズ累計50万部を突破し、アニメ化、DVD化もされた。

 この漫画にも取り上げられた銚電は06年、経営難のため法律で義務づけられている車両検査の費用が工面できず、運行できる車両がなくなってしまう、というところまで追い込まれた。「鉄道存続のために、(副業の)ぬれ煎餅を買って」とホームページで訴えたところ、全国から注文が殺到。一時的に収入が増えて、何とか一息をついた。ただ、「他にも検査が必要な車両はいくつもあり、楽観視できない」(銚電鉄道部の向後功作次長)という状態だった。

 それを聞いた、小学館と菊池さんらが応援したい、と名乗りを上げた。

 「連載中に取り上げたローカル線が、いくつも廃止に追い込まれている。この状況を、何とかできないかとずっと思っていた。頑張っている私鉄の象徴として、銚子電鉄を応援したかった」(「鉄子の旅」を連載していた月刊誌『IKKI』の江上英樹編集長)。

 小学館は「鉄子の旅」を全巻をまとめた「限定版」を発売し、見込んだ収益を「応援金」として、銚電に贈ることを決めた。菊池さんらも、「限定版」については印税分をまるまる応援金に加えたという。

 その話し合いの中で、銚電側から「塗色を考えてもらえないか」と相談を持ちかけられた。菊池さんは、漫画のキャラを車体に描くのではなく、実際に鉄道車両としてのデザインを考えることにした。題材にしたのは、沿線にある初日の出の名所・犬吠埼。朝日と海を表すオレンジ色と紺色をメーンに、ドアに斜めの白い線を入れて、開いたり閉まったりすることで波の満ち引きを表現したという。

 横見さんは「奇抜な色に塗り替えて、その鉄道の良さが台無しになってしまうケースもある。でも、この車両は鉄道の良さが伝わってくる」と、満足顔だった。

 この日のお披露目会では、横見さん、鉄道に詳しいアイドル豊岡真澄さん、女優の村井美樹さん、鉄道写真家の広田尚敬さんらの他、ファン数十人が参加。銚子駅ホームでのテープカットの後、銚子―外川間を一往復した。車内では、音楽ユニット「SUPER BELL”Z」が、銚電をネタにした「車掌芸」を披露した。網棚の上には、特別編の漫画や、過去の取材時の写真などが張られ、注目を集めていた。

 向後次長は、「応援はとてもありがたい。私どもの未来もまだ決して楽観視できませんが、できればこうした動きが、同じように経営に苦しむ他の地方私鉄にも広がってくれたら」と話している。

 限定版は、「銚子電鉄応援BOX」(4800円)と名付けられ、26日から発売された。カラー版全5巻のほか、書き下ろしの特別編と、「鉄子」カラーに塗られた銚子電鉄の電車模型(Nゲージ)などがつく。

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