消えゆく都バスの「方向幕」、自由に回そう2008年01月09日 バスの行き先や経由地を車体に表示する「方向幕」を、自由に操作できる――。バスファンにはたまらない、こんなチャンスがある。方向幕は、電光掲示板に押されていずれ消えゆく運命。この機会に心ゆくまで回してみませんか。(アサヒ・コム編集部) 〈写真特集〉はこちら
「都バス今昔パネル展」。8日から11日まで、東京都庁(東京・新宿)の南展望室で開かれている。目を引くのは、バスの「方向幕」の装置。ここなら運転手に代わって回せるのだ。 方向幕とは、バスの行き先や経由地を表示する装置。たとえば、「市01 新橋駅―築地中央市場(循環)」などと表示されている。都バスの場合、車体の前方、ドア横、後方の3カ所にある。 「幕」と呼ばれるのは、内部のポリエステル製の巻物で表示するから。一つの巻物に、そのバスが走るエリア数十カ所の「行き先」があらかじめ印刷してあり、機械で上下に巻き、そのうち1カ所だけを表示する仕組みだ。 普段は、運転手が機械を操作するが、この展会場ではバスから取り外された本物が、誰でも自由に操作できるように展示されている。実際に昨年まで、品川営業所所属のバスで使われていたものだ。 昨年9月に、廃品となった方向幕を販売するためにイベントで展示したところ、「実際に操作してみたい」という客が多くいたことから、今回は自由に操作できるようにしたという。 方向幕にひかれるバスファンは、少なくない。内容のバリエーションが豊富で、中にはレインボーブリッジなど名所の絵が描かれたものもある。バスの終点で表示を切り替える時に、普段は使われない臨時の「行き先」が一瞬現れるのを見る楽しみもある。 しかし、方向幕はいずれ消えゆく運命にある。バスの行き先を表示する部分は、発光ダイオード(LED)を利用した電光式に急速に取って代わられつつあるからだ。方向幕の場合は、路線やバス停名が変更されるごとに、1枚1枚切り張りで修正する必要があり、「これに年間何千万円もかかる」(都交通局車両課)という。一方、電光式の場合は、機械のデータを入れ替えるだけだ。 都バス全1460台のうち、すでに半数が電光式。都交通局は今後も、毎年100台ずつ、電光式に置き換えて行く予定で、数年後にはすべて消えることになる。 パネル展も興味深い。東京都江東区の車両工場の会議室にあった秘蔵の写真を公開している。 過去に試作された「水陸両用バス」の写真もある。1947年の「キャサリン台風」で、東京の下町が長く浸水した時に、米軍の水陸両用輸送車を借りて、水陸両用バスを走らせる計画があったといい、その時のものだ。実際には、水上走行時に大きな波ができてしまい、計画は頓挫したという。 もともと、都バスの起こりは、84年前の関東大震災で都電(当時は東京市電)が不通になり、代行としてバスを走らせたこと。当時は、アメリカで大量生産され牛乳輸送に使われていたトラックを輸入して改造し、バスとして運行させたという。その写真も展示されている。 入場無料。午前9時半から午後5時半。 PR情報この記事の関連情報コミミ口コミ
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