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「パラパラ」からチンドンへ 女子高生が「転進」

2008年01月18日

 17歳の女子高校生が、チンドン行列の一員として大阪の街を練り歩いている。学校嫌いで「パラパラ」を踊っていたやんちゃ娘が、父が主宰するチンドン屋の会社に飛び込み、昨年秋に街頭デビュー。父のトランペットに合わせてチンドン太鼓をたたき、「いらっしゃいませー」と澄んだ声を街角に響かせている。

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父(後方)のトランペットに合わせてチンドン太鼓をたたく。道行く人から「がんばれー!」と声がかかった=大阪市西成区で

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 名は風見花(ふみか)さん(17)。大阪市に本拠を置くプロのチンドン屋の会社「ちんどん通信社」の社長、林幸治郎さん(51)の娘だ。

 昨年末のある平日の昼下がり。大阪・西成の商店街。父がトランペットでジャズ風にアレンジした「ジングルベル」を吹くと、娘が太鼓とかねでチンチン、ドンドンとはやし立てる。着物姿のもう一人の女性メンバーが、近くで開店したばかりのちゃんぽんの店のビラを配る。

 「本日はちゃんぽんの宣伝でございます」。父が立ち止まって大声を上げる。娘がすかさず合いの手。「晩ご飯の手間が省けますよー。今日と明日は半額です」。息はぴったり。ちょっと元気のない師走の商店街が、風見花さんたちの登場でにわかに華やいだ。

 84年に「ちんどん通信社」を旗揚げした父・幸治郎さんは業界では名の知れた人物。現在は23人のメンバーを率いて、街頭で店を宣伝したり、お座敷やステージで芸を披露したりしている。

 風見花さんの日本髪のかつらの下には、実は見事な「金髪」が隠れている。初めて髪を染めたのは中学2年のとき。学校に行ったら「髪を黒くしてから来い」と言われた。

 「それやったら授業なんか出んでもええわって、ぐれちゃって。ずっと保健室で友達としゃべってた」。夜はクラブで踊ったり、徹夜でカラオケしたり。人より目立ちたいという気持ちが人一倍強かった。

 中3だった05年12月、父に誘われて「ちんどん通信社」の公演に「軽いノリで」初めて出演。和服姿の女性に囲まれて、クラブで踊っていた「パラパラ」ダンスを披露した。「クラブと違って、年配の人にも見てもらえるのが新鮮やった」。チンドンもけっこうおもろいかも。

 中学卒業後は通信制の高校で学びながら、父の公演に同行。日本舞踊を父に習い、見よう見まねでチンドン太鼓も覚えた。昨年10月には初めて街頭に出た。

 「踊りも太鼓も上手にできたら楽しいし、何より、街を歩いてて『頑張ってね』とか『べっぴんさんやね』とか声をかけられるのがうれしい」。今では「もっと早くに始めてればよかった」と思うほどだ。

 学校はサボったが、チンドン屋としては勤勉そのもの。「遊びたいとも思うけど、遊ぶためには仕事を休まなあかん。それやったら仕事がしたい。1日でも休むと損した気がするんです。中学の時に遊びまくったから、もう十分なのかも」

 友達からは「そんな格好で街を歩くのは恥ずかしくない?」とよく聞かれる。だが本人は「そういう家に生まれたわけやし、小さい時から見てるので、特に何とも思わへん。実際、私服だって派手やし」と受け流す。

 そんな娘に父の林さんは「街角で初めて会う人とも笑顔でコミュニケーションが取れる。チンドン屋の感性を持っている」と目を細める。

 将来も続けたい?と聞くと、「いつかは飽きるかもしれへんけど、今はめっちゃ楽しい。他のチンドン屋がしいひんことをやってみたい」。色っぽい化粧の下に、17歳のあどけなさをのぞかせて言った。

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