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21歳のケータイ小説家、「すべてフィクション」

2008年01月21日

 中学生の優基と幼なじみの麻樹の恋を描いた「もしもキミが。」、病気で麻樹を失った優基のその後をつづった「今でもキミを。」。凜さん(21)が高校から短大時代に手がけたケータイ小説が大ヒットし、本も計80万部のベストセラーになった。

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ケータイ小説家・凜さん

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「将来は親子関係をテーマにした作品も書ければ」と話す凜さん=行橋市内で

 両手の親指を動かして携帯電話で執筆し、投稿サイトに送信する。指の文字入力の動きに携帯の画面が追いつかず、突然電源が落ちたりすることも。「携帯の消耗が激しく、年に1回は買い替えます」と笑う。

 「ケータイ小説家といわれても実感はありません。雑誌やテレビ、新聞社の取材が入るようになったぐらいで、自分としては、別に性格も変わらないし」

 小学生のころから文章を書くのが好きだった。ケータイ小説は中学3年のとき、偶然見つけた投稿サイトに作品を出したのが始まり。高校3年のころから本格的に書き始め、人気を呼んだ。中、高時代は寝る前、短大時代は通学の電車の中や授業の合間にも執筆に取り組んだ。ペンネームの「凜」は、友人の飼い犬の名から取った。

 昨年春に短大卒業後、一時、保育園に勤めていたが退職。今は中学生の家庭教師のアルバイトをしながら、1日3時間を執筆にあてる。テーマは恋愛。読者は小学生から30代の女性が主だが、男性もいるという。「自分のことや体験は恥ずかしくて書きません。私の作品はすべてフィクションです」

 作品は改行と余白の多いのが特徴。5文字だけというページも。パソコンは使わない。「行間が詰まり、読者から『読みづらい』と苦情がきたことがある」からだという。「言葉遣いも難しかったり、堅苦しかったりするものはだめ。『マクドナルドに寄っていきませんか』より、『マック寄ってかない』という感じで、若い人の会話や目線で書く」

 ストーリーが浮かばないときは手を休め、音楽やドライブで気分転換を図る。読者の感想は「これは小説じゃない」「漢字や文法が間違っている」などの批判や指摘もあれば、「読んで泣いた」「初めて買った本が凜さんの作品です」など励みになるものも。

 「何げなく、いろいろな人を見る」と言う。風邪をひいて病院に行くと、女性患者と医者が診断のことで怒鳴りあっていた。「この2人が恋愛関係に発展したら楽しいんじゃないかな」などと想像をふくらませる。

 そうした人間観察は中学時代にさかのぼる。ソフトボール部の4番で捕手。相手の動きや狙いを読み、前の打席でどう打たれたかなどを考え、対策を練ることが、今につながっているという。

 出版社から「東京で仕事をしてみないか」と誘いもあったが「私は行橋生まれの行橋育ち。自宅から見える山や田んぼの見慣れた風景が好き。人込みが苦手なんです」。地元に軸足を置きながら新たな作品に意欲を燃やす。

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