現在位置:asahi.com>コミミ口コミ> 記事

コミミ口コミグッズ

なぜか、漆器店が組み立て式和室を販売 200万円前後

2008年01月27日

 福島県会津若松市の漆器店が自分で組み立てられる和室を売り始めた。名付けて「箱家(はこいえ)」。分解すれば引っ越しにも対応可能で、都会のマンション暮らしをしている人たちがターゲットだ。年を取れば「畳でくつろぎたいという日本人の血が騒ぎ出すはず」と同店。海外も視野に本格的な販売に乗り出す。

写真

組み立て式の和室

 箱家を作ったのは、同市大町の漆器店「坂本乙造商店」。年を取ってから無性に和室が欲しくなるというマンション住まいの中高年が多い、と聞きつけた坂本朝夫社長(57)が2年前に思いついた。名称は「箱庭」から着想を得た。

 業界の先行きが厳しいなか、同社はアクセサリーや携帯電話などに漆塗りの技術を応用し、活路を見いだしてきた。箱家はさらに本業から離れるが、坂本社長は「なくなりつつある伝統的な知恵や技術を生かし、世の中に存在しないモノを作ってみたかった」と話す。

 広さは3畳ほど。中には縁(へり)のない琉球畳が敷き詰められていて、壁は米ヒノキ製の屏風(びょうぶ)でできている。天井がはられ、小さいながら床の間もある。引き戸を閉めると即席の「マイルーム」が誕生する。濡(ぬ)れ縁(えん)もある。

 建具や畳は、地元会津の木造建築や指し物などの職人に手がけてもらった。障子紙は、表裏両面からはりつける「太鼓張り」。紙と紙の間に空間があるため、断熱、遮音の役割を果たす。

 電源コンセントもつけ、冷暖房器具や音響機器、電化製品などを持ち込むことが可能で、自分だけの世界に「こもれる」という。

 組み立てに要する時間は大人2人で1時間程度。ねじやくぎを使っておらず、添付してある木づちで完成させる。

 「瞑想(めいそう)」や「禅」が海外に広がりつつあることも踏まえ、「世界的な視野を持って販路を開拓したい」と坂本社長。日本に比べて空気が乾燥している欧米を念頭に、米国ボストンでも試験を繰り返した末に完成させた。

 斬新な発想と職人の技を結実させた商品だけに、値段は高め。3畳の標準サイズが231万円で、ひと回り小さい1坪サイズは199万5000円だ。受注生産で、納品には2カ月ほどかかる見込みという。

PR情報

このページのトップに戻る