身もだえ、苦悩する「鈴木先生」は妄想の産物2008年02月19日 文化庁メディア芸術祭マンガ部門で優秀賞を受賞した「鈴木先生」。クラスで起こる問題に、身もだえせんばかりに苦悩する熱い中学教師を描く異色作だ。作者の武富健治さんは「僕の妄想の産物」と語る。(アサヒ・コム編集部)
優等生だった子が給食時間に「げりみそ」とわめき出したのはなぜか? こんなささいなこととも言える問題から、複数の生徒と肉体関係を持った女生徒を巡る修羅場まで、鈴木先生はまなじりを決して取り組み、悩み、生徒に語りかける。その一方で、美人生徒に性的な妄想を抱いた自分を激しく責めたりもする。 シリアスすぎてギャグに見えてしまうのか、コメディーが暴走して感動作になってしまったのか。濃い劇画調の絵柄と相まって、奇妙な味の作品だ。 受賞作を紹介する「メディア芸術祭」が17日まで開かれている国立新美術館(東京・六本木)で11日、マンガ部門受賞者シンポジウムが開かれ、武富さんが登壇した。 「取材して描いているんですかとよく聞かれるが、取材はしないし、参考に本を読むこともない。ぜんぶ僕の頭の中の妄想です」と明かした。 「大人も子どもも含めた、現代に生きる我々が抱える問題を、中学校の教室という劇場を使って提示しているつもり。自分の子どもの頃や、大人になってからの人間関係のもめ事を思い出し、頭の中で作り上げた」 物語が佳境に入ると鈴木先生も生徒たちも思いの丈を熱く語り出し、膨大なせりふが絵を圧迫する。 「この作品を描く前にドストエフスキーにハマって、長ぜりふの応酬になじんでしまった。以前参加していた劇団が『小芝居はやめろ、内面にあるものをぶつけろ』というスタイルだったので、その影響もあると思う」 悩みのつきない鈴木先生だが、ラストのエピソードはすでに決まっているという。「別に殉職とかはしません。秋の終わり、鈴木先生がある問題を一段落させて終わる。秋なのは、冬服で描きたい話だから」 PR情報コミミ口コミ
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