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「憲法行脚の会」、ワーキングプアと憲法を議論

2008年03月07日

 最底辺で働いている人に憲法なんて考えてる余裕はない――。ワーキングプアと憲法を議論する集会が1日、東京であった。50代以上の世代から、派遣やアルバイトで働く若者まで約170人が参加。労働問題や護憲活動のあり方について、活発な意見が交わされた。(アサヒ・コム編集部)

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ワーキングプアや憲法について議論する雨宮さん(左)と香山さん

 護憲市民団体「憲法行脚の会」が主催した。精神科医の香山リカさんと作家の雨宮処凛(かりん)さんが対談。分科会では、2人が来場者と意見交換した。

 雨宮さんは、日雇い派遣のような働き方が、法改正や企業の人材登用など、個人ではなく社会によって引き起こされた問題だと指摘。ワーキングプアに陥っている状態を「戦争」に例え、「戦争に巻き込まれた人に『戦争はいけない』と説いても意味がない。戦地にいる状況から救い出すことから始めなければならない」と訴えた。

 1960年生まれの香山さんは「自分のような共通一次第一世代は、家庭環境に関係なく、がんばれば報われるという意識があった。今は、一流大学に行けるのは一流の家庭。階層の移動が難しい」と語った。

 対談では、ワーキングプアの若者が戦争に希望を見いだす姿に迫り、昨年に論争を巻き起こした赤木智弘さんの論文「31歳、フリーター。希望は、戦争。」(論座2007年1月号)も取り上げられた。

 雨宮さんは「7年間、コンビニでアルバイトをしても時給は50円しか上がらない。そんな社会を壊さなければ、将来を考えられないという思いがある」と解説。

 香山さんは「戦争によってリセットしたい。戦争なら役に立てるかもしれない。そういう気持ちがあるのではないか」と話した。

 分科会では来場者から、ワーキングプアの人と、反戦活動に取り組む人との関係について質問が飛んだ。雨宮さんは「見えているものが違うほどの格差がある。一番苦しい人へ、いかに声を届けるかが大きなテーマになる」と答えていた。

 「憲法行脚の会」は、土井たか子さんや故城山三郎さんらが呼びかけ人となってできた団体で、憲法の意義を広める講演を各地で続けている。

 今回の論題は若者の労働問題。従来の護憲活動に対する疑問の声も出た。雨宮さんは「引きこもりは、労働を拒否している立てこもりでもある。しかも、誰の指導も受けていない。革命の拠点になるかもしれませんよ」とまとめた。

 会場には、土井さんも姿を見せ「ワーキングプアなど、現場をよく知っている人から教えてもらうことも必要になってくる」と話した。

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