JR最後の昼間急行「つやま」で行く小旅行2008年03月19日 「快速」→「急行」。車掌がみずからの手で表示板を掛け替える。JR岡山駅のホームに2両編成で入ってきた列車は、通勤、通学用ではない。でも、出張や旅行に使う特急とも違う。2月前半、昼間に運行されるJR最後の急行「つやま」に乗ると、そこには小旅行の趣が残っていた。(アサヒ・コム編集部)
「つやま」は、前身の急行「砂丘」(岡山駅〜鳥取駅)が1997年に廃止されたのに伴い、同年、誕生した。2007年の「みよし」(広島駅〜三次駅)廃止により、JR線で昼間に走る最後の急行列車となった。 午前11時、人影のまばらなホームにクリーム色のディーゼル車両が姿を現す。乗客は中年夫婦や会社員風の男性ら様々だ。向かい合った4席のボックスシートに1〜2人、ベンチ型のロングシートには1人ずつ、1両に20人弱の乗客。出発前、車掌が車内を回り急行列車であることを説明する。 「え、それじゃあ次のに乗るよ」 別途、急行料金730円が必要だと知ると、次の快速に変える人も。 午前11時15分。「キハ48」のディーゼル音がひときわ大きくなる。 「急行つやま、発車します」 乗り込んで出発を待っていると、車内放送の車掌の声。普通列車よりもいくぶん、力がこもっているように聞こえる。 津山駅まで1時間5分。車窓には田園風景が流れる。途中駅では、数人が乗車するが、降りる人はほとんどいない。本を読んだり携帯電話を見たり。静かに目的地までの時間を過ごしている。 1日1往復しかない。帰省の折、わざと選ぶ人もいるという。 「あの時はけっこうな騒ぎだったようですよ」 津山市産業経済部の岡晃司次長が、資料をめくりながら懐かしそうに話す。 1997年、利用者減などからJR岡山支社が市側に急行「砂丘」の廃止を打診すると、商工会を中心に反対運動が盛り上がる。津山市など沿線の自治体、経済団体などは「津山地域JR急行砂丘号廃止反対協議会」を発足。「路線のさらなる縮小、地域のイメージダウンは避けられない」などと訴えた。 JRへの働きかけの結果、1日5往復していた急行「砂丘」を廃止する代わりに、岡山駅と津山駅を1日1往復で結ぶ急行「つやま」を新設することで合意した。 人口11万人の津山市は新幹線の駅がある岡山市、倉敷市に次ぐ県内第3の都市。商業が盛んで津山城など史跡も多い。 「当時は相当の危機感があったのでしょう」と岡次長は振り返る。岡山駅と津山駅の間で、急行料金のない快速とは停車駅1駅分、数分しか違わない。急行存続は、利便性より「メンツ」を重視したものだった。 JR西日本によると、現時点で急行「つやま」の廃止の計画はない。しかし、もし浮上したら前回のような動きが出るのだろうか。 「反対運動は、もう起こらないでしょう。メンツよりも効率優先の時代ですからね」。岡次長は少し寂しそうに笑った。 最近では、津山駅に残る「旧津山扇形機関車庫」や、ディーゼル機関車「DE501」などを「鉄道遺産」として観光資源に活用する動きもある。2007年には「みまさかスローライフ列車」と題し、旧国鉄急行色の車両が走った。 1往復の小旅行を終え、岡山駅で車庫に向かう「つやま」を見送った。次の快速を待つ乗客が列をなす中、「つやま」の車体がのそりと動き出す。相変わらずのディーゼルの音がホームに残った。 〈ハイビジョン動画〉PR情報この記事の関連情報 |
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みんなのコメント現在はキハ48使用ですか…
小学生の頃に見た「急行つやま」はJR色のキハ58が2両とキロハ28の3両でしたが、なくなってしまっていて残念です。乗っておけばよかったと後悔。
津山市は鉄道遺産を観光資源化したいようですし、「急行つやま」を再びキハ58化して観光客誘致で地域活性化とか考えてもらいたいものです。
岡山出身の鳥取大生
急行つやま号って 今や希少価値の列車ですな。快速に埋もれてるにもかかわらず 健闘してますわ。 運転効率から して車両の更新は 無理でしょうが 工夫が 欲しいですわ!末永く 存続して欲しい事 普通列車として 津山〜智頭迄の延長しては!
国鉄色のキハ58、28で運行してほしいです。
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