ドラえもん「緑の巨人伝」 渡辺監督が語る2008年03月29日 公開中の映画「ドラえもん のび太と緑の巨人伝」の渡辺歩監督がトークショー。「今回、ドラえもんの道具をあえて使えなくした。その道具で闘いをさせたくなかったから」と語った。(アサヒ・コム編集部)
「夢は無限 藤子・F・不二雄展」を開催中の杉並アニメーションミュージアム(東京・荻窪)で20日、渡辺監督が「ドラえもんアニメをつくることが僕の夢だった」と題してトークショーを行った。 「藤子・F・不二雄先生には生前一度だけ、パーティーでお会いした。僕はまだ駆け出しのアニメーターで、『体に気を付けて頑張って下さい』と言われたのを今でも思い出す。先生に僕の作品を見ていただき、おしかりでもいいから感想を聞かせてほしかった」 06年の「のび太の恐竜2006」に続く登板となった渡辺監督。「緑の巨人伝」は、地球を緑で埋めつくし人類の絶滅をはかる「緑の星」の計画を、のび太たちが防ごうとする物語。 「環境問題といった大きな問題を扱うと、作品の中でそればかりが目立つリスクがあり、難しかった」 序盤でドラえもんは、ほとんどの道具を誤って点検に出してしまい、ピンチにも打つ手がないのび太たちは、「人類滅亡」へとエスカレートする状況に翻弄され続ける。 「〈人間〉対〈緑〉の闘いにはしなくなかった。人間が、文明の力であるドラえもんの道具を使って地球を守る、という形で決着をつけたくないので、最後は、のび太と『緑の星』の王女リーレが、2人だけで互いの思いをぶつけ合う展開にした。こんな答えの出せない問題を前にした時、ドラえもんがどう加担したらいいのか、僕の中ではまだ答えが見つからない」 「ドラえもんを作る」という、業界に入った時からの夢をかなえた渡辺監督は、聴衆から「今の夢は?」と問われ、こう答えた。「あたかも先生が描いたように出来れば、そして『これぞドラえもん』とみんなに受け入れてもらえる1本が出来れば――それが夢であり、理想です」 PR情報この記事の関連情報 |