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オーダーメードの日用品、次々に発明 2千点

2008年04月06日

 片手で使えるつめ切りや、バネ付きのハシ……。横浜市神奈川区の「かながわ自助具工房」から、リウマチなどで手や足の不自由な人でも使いやすい日用品が次々と生み出されている。発足から18年、世に出した自助具と呼ばれるオリジナル作品は2千点をくだらない。(斎藤健一郎)

台に手を乗せて押すと、片手でもつめが切れる

コンパスの部品を使ってつくった鉛筆ホルダー。握力が弱い人や手の震える人も安定した字が書ける

自助具づくりに取り組む安東徹郎さん

 平日の午後、県社会福祉協議会が運営する工房には、作業療法士を目指す専門学校生3人が集まっていた。昨年9月から自助具づくりを学び、自らが発案した自助具を完成させるまでに腕を上げた。

 中村麻早さん(23)は片手でお湯を注いでも急須のふたが取れないアクリル製の道具を、古幡優香さん(22)は洗濯ばさみとストラップを使い、片手でファスナーが閉められる自助具を考案した。

 洗濯ばさみを使って遠くのものをつかみ寄せる道具をつくった藤尾真琴さん(24)は「身近な物を使って、こんなにたくさんの自助具ができるなんて。将来の仕事の役に立ちます」と話す。

 3人を教えたのは、工房で製作指導員を担当する安東徹郎さん(83)だ。

 自助具の基本はオーダーメード。その人の体の状態に合わせて、同じ用途の道具でも、作り方は千差万別。安東さんは、70歳で会社を退職して工房に入ると、「こんなものがあったらいいのに」と、工房に来る人の声に耳を傾けてきた。

 「ハシが持てないけどおいしくソバを食べたい」という脳障害の男性がいた。自宅で奥さんにソバを作ってもらい、試行錯誤を重ねた。フォークの先を切って短くし、ヤスリで間隔を広げていく。こうして、ハシと同じ感覚でソバがすくえるフォークを奥さんと協力して作り上げた。

 工房では指導員2人とボランティアスタッフ4人が製作に当たっている。この1年、110点の作品を生み出した。モットーは「その人にあったものをなるべく安く」。100円ショップなどの商品を工夫。代金は材料費しかもらっていないという。

 「依頼者の夢をどう実現させるか、アイデアを考えていると、夜も眠れない日もあります」。依頼者の笑顔を見ることが、安東さんの何よりの喜びだという。

 自助具の依頼、ボランティア、製作体験の問い合わせは、横浜市神奈川区鶴屋町2丁目のかながわ自助具工房(045・312・1121内線3300)へ。

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