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太極拳で元気の輪 お年寄りに口コミ人気

2008年04月16日

 まだ薄暗い早朝の浦和競馬場(さいたま市南区)。クラシック音楽が流れる中、太極拳を舞う人たちがいる。数人で始まった太極拳教室が口コミで広まり、30人以上の輪に広がった。激しい運動でないのに、10分もすれば体の芯からホカホカしてくる。「足腰の調子が良い」「カゼを引きにくくなった」と喜ぶ声も多い。(前田大輔)

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太極拳教室「あゆみ会」で指導する橋口さん(中央)。お年寄りの目も真剣だ=さいたま市南区の浦和競馬場

 「体を動かして、健康を貯金しましょう」

 午前6時半前、競馬場の馬券売り場の広場に、60〜70歳代のお年寄り約20人が集まり、太極拳教室が始まった。同市南区の主婦橋口豊子さん(76)が開く無料教室「あゆみ会」だ。水、木曜日を除く毎朝、15年以上続けてきた。

 ぐんぐん昇る朝日を受けて、教室は続いた。橋口さんの「一緒に体を動かしましょう」との誘いに、記者も実際に太極拳をしてみた。

 中国の弦楽器・二胡(にこ)の音楽に合わせ、片足立ちになったり、腰を落として腕を前に振り出したり……。しばらくすると、顔からじわっと汗が出てきた。「腹式呼吸で全身をじっくりと動かしている証拠です」と橋口さんは話した。

 教室は約1時間で終わった。お年寄りは口々に「太極拳がないと一日が始まった気がしない」と笑う。

 浦和区の柳沢喜仁さん(68)は、くも膜下出血のリハビリをきっかけに通い始めた。「仲間と一緒に楽しくできるのが良い」。同区の黒河智子さん(62)は「雨の日も休まずに教えてくれるのでありがたい」と話す。仲間の輪が広がり、閉じこもり防止にもつながっているという。

 橋口さんは49歳の時、子宮頸(けい)がんを患った。摘出手術を受け、リハビリで体を動かそうとヨガを始めた。その後、17年前に夫と中国に行った時に、太極拳に出会った。ある日、いつものように一人で浦和競馬場で練習をしていると、お年寄りから「教えてください」と声をかけられた。「頼まれたら断ることができない」と教室を開くことに。

 教室の話は口コミで広がった。参加するお年寄りは、多い日で30人に増えるという。橋口さんは昨年、太極拳の指導者の中で最もレベルの高いA級免許を取った。「年を重ねても心と体が元気なのが一番。色んな人に教室に来てもらいたい」

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