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おもちゃ医講座、熟年世代が続々 孫世代と交流うれしい

2008年04月14日

 定年退職後の生きがいにと、壊れたおもちゃを修理するボランティア「おもちゃドクター」を目指す熟年世代の男性が増えている。元エンジニアなどの経歴を生かし、おもちゃが以前の姿を取り戻したときの達成感や、孫世代とのふれあいが人気の源泉になっている。(滝沢隆史)

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「おもちゃドクター」養成講座でおもちゃのキーボードの修理方法を学ぶ受講生たち=3月23日、伊勢崎市のあずま公民館

 3月のある日曜日の昼下がり、群馬県伊勢崎市のあずま公民館。おもちゃドクターを養成する連続講座で、60〜70代の男性たちが真剣なまなざしでおもちゃの楽器の修理に取り組んでいた。

 受講生の小竹正二さん(70)=伊勢崎市=は、産業機械の元設計技師。孫とおもちゃで遊んでいるうちに、修理に興味を持った。「経験を生かせるし、もともと細かい作業が好きな性分。孫の世代と交流できて喜んでもらえるところもいい」

 計3回の講座でモーターの分解やはんだ付けの実習、テレビゲームの修理などを一通り学ぶ。一昨年の同じ講座には5人しか集まらなかったが、今回は1週間で定員(10人)を上回る11人から応募があった。主催した公民館の担当者は「定員を超えるとは思いもしなかったので、関心の高さに驚いた」と話す。

 96年に設立されたおもちゃドクターの全国組織「おもちゃ病院連絡協議会」(東京・四谷)は、約430人の会員を擁する。ただし、登録しているドクターは一握りで、「実際はその数倍以上はいる」と協議会の担当者。公民館や児童館など、ドクターが活動する「おもちゃ病院」も全国に270カ所以上あるという。

 会員の大半を熟年世代の男性が占める。1年に3〜4回、東京でドクター養成講座を開いているが、最近は毎回満員という盛況ぶりだ。「おもちゃドクターになりたいが、どうしたらいいのか」という団塊の世代からの問い合わせも多い。

 群馬には、協議会に登録しているだけでも約30人のドクターがおり、前橋や太田など10カ所以上のおもちゃ病院で毎月、活動している。

 ドクター歴が12年になる糸井高雄さん(79)=太田市=は、土、日曜日のほとんどをおもちゃドクターとして過ごす。海上自衛官や自動車整備士の経験がものを言い、おもちゃの修理はお手のもの。20万円かけて修理に必要な工具類をそろえる熱の入れようだ。

 糸井さんの活動拠点の一つ、ぐんまこどもの国(太田市)は月に1度、おもちゃ病院を「開院」する。修理は無料。電池で動く人形などを中心に1カ月に平均20個が持ち込まれ、95%を回復させてきた。

 「修理できたときの達成感と、孫のような子どもに感謝されることがうれしい」と糸井さん。「使い捨てにしないで、ものを大切にする心も伝えたい」と意欲的だ。

 おもちゃ病院連絡協議会の松尾達也代表(76)は「経験や趣味で培った得意技を生かし、無理せず孫の世代と接することができると人気が高い。今後は中級や上級の講習を増やし、ドクター全体の技術の向上にも力を入れたい」と話す。

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