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金刀比羅宮 書院の美−応挙・若冲・岸岱
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伊藤若冲 いとう・じゃくちゅう (1716-1800)

 徹底した自然観察に基づく写実的な描写と豊かな想像力による奇抜な構図や配色の表現を融合した若冲はユニークな画風を確立した。「奇想の画家」として近年特に再評価が進んでいる。裕福な青物問屋の長男として生まれ家督を継ぐが、40歳で引退し画業に専念した。明和元年(1764)制作の金刀比羅宮の《花丸図》では、空間を花卉図で埋め尽くし、見るものに迫る圧倒的な空間を作り出している。

花丸図 1764年

花丸図

 部屋の四周を取り囲むあらゆる壁面を切花で埋め尽くす構成は、6 畳という部屋の狭さもあってどこか息苦しいような圧迫感がある。約200を数える花は格子状の枠の中に整然と配置される。モチーフを増殖させることで濃密な表現世界を作り出す手法や格子状のパターンは若冲が好んで用いたもの。落款などはないが、個々の花や葉には、若冲独特の円形の虫食い穴やしみも見られ、濃厚な賦彩(色づけ)や緻密な描写から見ても若冲画であることは疑いない。


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