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「金刀比羅宮 書院の美」展 若冲の花、圧倒される空間
(07/19)

ふすまや壁に花々が広がる伊藤若冲の「花丸図」=金刀比羅宮で
江戸時代の絵師、伊藤若冲(じゃくちゅう)(1716〜1800)が筆を振るった金刀比羅宮(ことひらぐう)の奥書院「上段の間」。花々の絵に取り囲まれた小さな和室に足を踏み入れると、体がぎゅうっと圧迫されるような異様な息苦しさを感じる。
美術史家の辻惟雄氏は「息が詰まるのは、視線が画面の後ろに抜けないからです。背景にも全く遠近がついていないでしょう。若冲に特異な表現です」と話す。
同じ大きさの花々が等間隔にびっしり並ぶ「じゅうたん模様のような奇抜な構図」(辻氏)も、目線の逃げ場を奪う。小花のおしべや枯れ葉の穴まで執拗(しつよう)に描かれた「模様」は、障子の下やなげしの上など、部屋の隅々にまで徹底的に施されている。
「まるで金縛りに遭うような感じ。書院の一番大事な部屋をこんな空間にするのは普通の感覚ではない。若冲はそこがおもしろい」と辻氏。
若冲の「花丸図」を楽しめる「金刀比羅宮 書院の美」展は、東京芸大大学美術館で9月9日まで。