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第91回全国高校野球選手権大会

球児を支える仲間たち

男子マネのひたむきさに心打たれた 女優・脚本家 近衛はなさん

2009年07月01日

 <東東京大会>――高校野球とのつながりは?

写真生徒補助員のアルバイトをした高校時代の思い出を語る近衛はなさん=神宮球場、福岡亜純撮影

 高校1年のときに青山学院の先生に頼まれたのがきっかけで、都高校野球連盟事務局のアルバイト(生徒補助員)をしました。高校では乗馬部に所属していましたが、高校野球の時期には神宮球場の事務室で、「試合の途中経過が知りたい」という問い合わせの電話をとったり、出場選手の名前の点検をしたりしてました。閉会式ではメダルを運ぶ係で、グラウンドにも入りました。

 ――久しぶりの神宮球場はどうですか?

 きょうは12年ぶりに来ました。毎日のように食べていたのが「冷やしたぬきうどん」。入り口に入ったとたん、当時と同じうどんのにおいがして、なつかしかったです。

 ――どんなことが印象に残っていますか?

 夏の決勝で早実の応援を見ましたが、応援団、チアリーダー、吹奏楽がすごい熱気で興奮しました。敗れて甲子園を逃し、選手が球場の外に出るのを事務室から見ていました。みんな並んで帽子を脱いで、「ありがとうございました」と言って泣いていました。

 球場に戻ると、それまでの熱気がうそのように静まりかえり、スタンドも空っぽになっていました。そのギャップで感じた「すべて終わった。今しか生きていないんだ、今が大事なんだ」という思いは、現在の俳優の仕事にも通じます。

 高校野球を間近で見たことは特別な体験で、夏が来るたび思い出します。この思い出は40、50歳になっても色あせないだろうと思います。

 ――補欠の選手の思い出はありますか

 私が働いていた事務局に裏方の仕事でときどき来ていた早実の男子マネジャーがすごくステキな人でした。チームメートからも頼られていて、ひたむきな姿に心を打たれました。

 ――裏方で支える人たちにメッセージをお願いします

 私も球場で働いて、試合に出る限られた選手たちを多くの人が陰で支えていることがわかりました。今回、NHKのドラマ「白洲次郎」では、本人に関する資料があまりない中で、周りの人に助けられながら脚本を書きました。たった一行のせりふがこれでいいかどうか、いろんな人と長時間議論して、50回ほど書き直しました。

 ドラマ作りも高校野球と同じで、裏方が重要だと思ってます。チームの表に出る人は限られているけど、縁の下で支えてくれる人があってこそ。一度しかない時間、みんながんばってほしいです。(聞き手・中野真也)


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