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第91回全国高校野球選手権大会

球児を支える仲間たち

両津 有終の1点 窮地でも貫いた笑顔

2009年07月14日

<新潟大会>「笑顔で楽しく」。それが両高(りょうこう)(両津)の野球。観客席のOBや保護者、高校野球ファンに、それを見せた。だから、悔いはなかった。

写真新潟江南―両津 6回裏両津1死二塁、後賀田の中前安打で藤井が生還。榎(3)=鳥屋野
写真敗れて新潟江南の校歌を聴く両津ナイン=鳥屋野

 観客席にはこの日のために新しく用意された横断幕。「ありがとう両校野球部」「炎 両津高 愛」。そして選手、マネジャー、監督の人数分、12本の「愛 L◎VE 野球」ののぼり。「こんなに多い応援団は見たことなかった」とマネジャーの島川優(3年)は驚いた。佐渡から、東京から、選手数の5倍を超える50人以上が駆け付けた。

 エースの徳盛康平主将(3年)は制球が定まらず、常にリードされる苦しい展開。だが、1回に2点を先制されても、13点のリードを許しても、マウンドに集まった選手たちは皆、笑顔だった。

 6回裏の攻撃前、ベンチの前で円陣を組んだ。島野監督は言った。「全員いいよ! 9人の力でしっかり6回までアウトを取れた。次は1点を取ろう!」

 6回裏、四球で走者を出し、後賀田健太(2年)の中前安打で1点を奪った。「みんなの勝ちたい気持ちで点が取れて最高だった」と徳盛。最後に両津の1点をスコアボードに刻みつけた。

 コールドで負け、試合直後は泣いていた選手たち。だが、すぐに笑顔に戻った。藤木周平(3年)は言う。「点を取られても、みんなが一つになってるって思えて本当に楽しかった。みんなと最後まで笑顔でやれて、あきらめずに両高らしさを見せられた」

 両津はこれで廃部となる。だが、まだ終わりじゃない――。2年の渡辺勇、藤井恭志郎はこれからも両津のグラウンドで野球を続けるつもりだ。渡辺は「両高の野球が好きだから。仲良く、楽しく伝統を守りながら2人でも続ける」。藤井も「部は終わっても、おれらがいる間は終わらない」。それを聞いた徳盛と榎大器(3年)。「おれたちも、また一緒に野球しに行くよ」。両津の野球は、終わらない。(柄谷雅紀)(文中「L◎VE」の「◎」は野球ボールのマーク)


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