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〈茨城・いまどき野球部〉実践したら選手変化

2010年07月06日

 土浦工の野球部マネジャー青砥弥花(みか)さん(3年)は6月、貝塚竜一監督に1冊の本を手渡された。

写真練習を手伝う青砥弥花さん=土浦市真鍋6丁目の土浦工高
写真水戸一の鈴木貴子さん(右)と鬼沢詩織さん(左)=水戸市三の丸3丁目の水戸一高

 タイトルは、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」。

 略して「もしドラ」。放送作家として「とんねるずのみなさんのおかげです」などのテレビ番組を手がけ、アイドルグループ「AKB48」のプロデュースも手がける岩崎夏海さんの小説だ。

 ドラッカー(1909〜2005)はオーストリア生まれの経営学者。1973年に発表した「マネジメント」は、組織がいかに成功に向けて行動すればよいかを説き、経営学の名著に数えられる。

 小説では、ある公立高野球部の女子マネジャー川島みなみがドラッカーを読み解き、その理論を駆使して弱小野球部が快進撃するストーリーだ。

 手渡された本には監督のメモが書き込まれ、重要と思われる個所に、蛍光ペンで色づけされていた。

 野球部にはこれまで、練習には出ても出なくてもいいという雰囲気があった。―中略―みなみはそれを、単に規律がなかったり、部員たちの意識が低かったりするからだと思っていた。しかし、「マネジメント」を読む中で、もっと根本的な問題があることに気づかされた。それは野球部の練習にはそもそも魅力がない――ということだった。(同著書より)

    □

 「正直、ちょっと冬にだれちゃってた時期があって、本の展開と似ている所も多かった」と青砥さん。でも、4月に貝塚監督が就任して、変わり始めた。新監督より自分の方が部員のことはよく知っている。選手と監督の橋渡しをできればと思った。

 「もしドラ」では、マネジャーが一人ひとりの部員と面談して、悩みや不満などを聞き取る重要な場面がある。青砥さんも、3年生を呼び出して、「新しい監督どう?」と聞いて回った。「選手と同じ気持ちにもなれるし、監督がしかった選手を励ますこともできる。こんなふうにサポートできるのはマネジャーだけ」と青砥さんは感じるという。

 今のところ、小説のような劇的な変化は起きない。それでも、選手から「おれ、野球がもっと好きになった」と言われた。最後の夏に向けて、手応えを感じている。

 水戸一のマネジャー、鈴木貴子さん(3年)と鬼沢詩織さん(3年)も、「もしドラ」のファンだ。

 単なる部活動にすぎない野球部を学校や地域の中心的存在に変えていく、川島みなみの手法に共鳴した。「校内外の人を巻き込むためにどうすればいいかをコーチとよく話し合っています」と2人。


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