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第93回全国高校野球選手権大会

東洋大姫路(兵庫)5年ぶり12回目
兵庫ニュース

エースの意地激突、譲らず決勝再試合 兵庫

2011年7月30日0時50分

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写真:東洋大姫路−加古川北 9回裏加古川北無死、都倉は左越えに同点本塁打を放つ=神戸、新井義顕撮影拡大東洋大姫路−加古川北 9回裏加古川北無死、都倉は左越えに同点本塁打を放つ=神戸、新井義顕撮影

写真:東洋大姫路の原樹理投手=神戸、宮沢写す(左)、加古川北の井上真伊人投手=神戸、丸山晃弘撮影拡大東洋大姫路の原樹理投手=神戸、宮沢写す(左)、加古川北の井上真伊人投手=神戸、丸山晃弘撮影

 両エースの意地と意地がぶつかりあった。29日の東洋大姫路と加古川北との決勝は、延長15回を戦い抜いた末、2―2と互角のまま引き分けとなった。兵庫大会史上初の決勝再試合は30日午後1時から。

■失敗は繰り返さない

 勝ちの可能性がなくなった延長15回裏、東洋大姫路のエース原樹理(3年)は、2死までこぎつけた。ポケットに入れた黄色いハンカチで汗を拭き、一息。最後の打者を空振り三振に取り、試合は終わった。

 リードを守れなかった。7回、相手投手の暴投で先制点を得た。その裏、1点を守りきろうとするエースの矜持(きょうじ)が力みを生んだ。投じた球は意に反したコースに行き、1死から3連打。犠飛で同点にされた。

 9回、表に1点を勝ち越した。しかしその裏、先頭打者の初球、抜けたカットボールを左翼席の中段まで運ばれた。「ここで気持ちを切らしたら、前と同じだ」。1年生の秋の記憶がよみがえった。

 2009年の秋の県大会準決勝。神戸国際大付を相手に1年生ながら延長14回まで0点に抑えた。しかし、15回裏2死三塁、自らの油断で甘くなった球を打たれ、サヨナラ負けした。

 今日は2年前とは違う。校舎の裏にある書写山を走り込み、スタミナは十分。あとは弱い過去の自分と決別するだけだった。遊撃手の中河宏輝(3年)から「気持ちやぞ」と声をかけられ、楽になれた。

 196球の熱投を「球威は落ちても、球に気持ちが乗っていた」と捕手の後藤田将矢(3年)は評する。

 「体に疲れはあるけど、これからは気持ち。リードを許さず、明日も踏ん張る」。エースの成長が明日への可能性をつないだ。(宮沢賢一)

■「楽しもう」再びエンジン

 15回表、野手の失策で招いた2死三塁のピンチ。加古川北のエース井上真伊人(3年)のもとへ福村順一監督から伝令が走った。

 「とにかく楽しめ。こんな局面、めったにないぞ」

 そうだ、楽しもう。疲れのたまった体にまたエンジンをかけた。直後に死球を出したものの、後続を内野ゴロに打ち取り、最後のイニングを終えた。

 この日の投球数は193球。延長10回の準々決勝(26日、126球)、神戸国際大付との接戦を制した準決勝(28日、136球)から続く3試合連続の完投。体は悲鳴をあげていたが、気持ちは最後まで切れなかった。

 今大会、調子は良くなかった。今春の選抜大会に出場し、全国の速球投手を間近に見た。「もっと球速を上げたい」。フォームの改造に取り組んだが、球速と引き換えに制球が定まらなくなった。

 「これじゃ通用しない。味方を信じて打たせて取る自分本来の投球に戻そう」。そう決断してフォームを戻したのが、今大会の2週間ほど前だった。

 この日も決して好調ではなかったが、球速に緩急をつけた直球、多彩な変化球を織り交ぜてタイミングを外し、相手打線に凡打の山を築かせた。

 「投げていて楽しかった。ピンチでも打たれる気がしなかった。気持ちはすでに明日に向かっています」。エースで4番の大黒柱は試合後、笑みさえ浮かべて力強く話した。(宮武努)

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