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第93回全国高校野球選手権大会

花咲徳栄(埼玉)10年ぶり2回目
埼玉ニュース

兄の思い、一打に託す 狭山ケ丘・高屋敷選手 埼玉大会

2011年7月25日11時54分

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写真:放った打球を見つめる狭山ケ丘の高屋敷君拡大放った打球を見つめる狭山ケ丘の高屋敷君

 (24日、春日部共栄4―1狭山ケ丘) 「初球は絶対振る」。3点を追う9回裏1死一塁、狭山ケ丘の代打・高屋敷公(ただし)君(3年)は決めていた。あこがれの兄との約束を胸に、バットを振り抜いた。

 エース候補として期待されていたが、1年生でひじを故障した。当時、兄の仁(さとし)さん(23)は早大野球部の4年生。2人きりになったある秋の夜、兄がさめざめと泣いたことがあった。「おれは最後まで早慶戦に出られなかった。悔しい。お前が頑張って親を喜ばせてくれ」

 投手をあきらめ、野手への転向に前向きになれたのは兄のお陰だ。チーム打撃に徹するため、右打ちを磨いた。熊谷昌人監督も「野球への思いは一番熱い。あいつがいるからチームが一つになれる」と信頼を寄せ、代打の切り札と三塁コーチを任せた。

 開幕後、出番はなかった。最後の舞台。兄の期待に応えたいという気持ちが高まっていた。前日の練習後、意を決して熊谷監督に直訴した。「出してください。絶対打ちますから」

 夜、大阪で働く兄に電話した。「できることは全部やったよ。おれが打って勝つから」。「負けてもいいから、思い切って振ってこい。初球からいけよ」

 ファールとストライクのあとの3球目。打球はふらふらっとあがり、春日部共栄の二塁手のグラブに吸い込まれた。最後の打席が終わった。すぐに三塁側のコーチスボックスに戻り、声を張り上げ続けた。

 試合後、「悔しいけど、やりきった」と胸を張った。「絶対、神宮に立ちます。兄ちゃんの分もやってみせます」。兄の期待を背負い、次のステージを目指す。(県営大宮=小俣勇貴)

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