メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

バーチャル高校野球

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

清宮のいる夏を思い切り楽しもう 〈高校野球アイ〉

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 記念の一発は、0―5で負けている九回に飛び出した。それでも仲間たちはベンチ内でハイタッチの列をつくり、主役も満面の笑みで応じた。

 早稲田実(東京)の清宮幸太郎選手の高校通算100号本塁打。その屈託のない明るさが、このチームの強さであり、魅力だと改めて感じた。

 入学時から注目されたスラッガーは3年になり、選抜大会で1年夏以来となる甲子園出場を果たした。その人気から、春季都大会決勝が異例のナイター開催となり、インターネットで生中継された。100号まで残り4本で迎えた愛知県高野連の招待試合もネット中継が入り、球場には早朝から約3千人が並んだ。

 「清宮狂騒曲」は過熱する一方だ。

 昨年11月のこのコラムで、「清宮伝説、壊さぬように」と書いた。「節度ある取材を心がけたい」と訴えたぼく自身も、ナイター決勝や沖縄の招待試合に出向いたのだから生意気なことは言えない。

 そんな周囲の騒々しさにあらがうことなく、清宮本人もチームメートも自然体で全力プレーを続けている。相手校の選手にとっても素晴らしい経験、思い出になるだろう。

 チーム内にギクシャクした雰囲気が感じられないことに、とにかく救われる思いだ。

 だからといって甘えるなと叱られそうだが、ここまで来たら、清宮というスラッガーのいる夏を思い切り楽しもうではないか。

 今夏の西東京大会で混乱を避けるため、都高野連は早稲田実の試合会場や時間の調整を検討している。不公平だという声もあるが、ほとんどの試合をライバル校などに映像で見られている早稲田実は、逆の意味で不利になっているという見方もある。

 19年前、「松坂世代」が躍動した夏があった。主役の横浜・松坂大輔投手(現ソフトバンク)は「そのくくり方が最初は嫌だった」という。ある日、一般の人から「ぼくも松坂世代です。ありがたいんです。自己紹介なんかで便利なんですよ」と言われた。

 「役に立つこともあるのなら、それでもいいのかなと思えた」と今は語る。

 主役とライバルたちが全力を出し合えば、今夏の球児たちも「清宮世代」として語り継がれることになるだろう。

 第99回全国高校野球選手権大会は来週17日、沖縄大会からスタートする。(編集委員・安藤嘉浩)

プレイバック高校野球

スマホアプリで高校野球を楽しもう
高校野球DVD販売サイト
第99回オフィシャルグッズ
高校野球関連グッズ販売
  • 新聞宅配申し込み
  • デジタル申し込み

許諾番号:9016200040Y45039