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バーチャル高校野球

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野球部員不足、3人で乗り切る マンモス校も少子化で…

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 本庄(宮崎県国富町)の練習を見に行くと、心なしかグラウンドが広く感じられた。「人数が少ないからじゃないですかね」と笑顔で話すのは川野龍那(りゅうな)主将。2年生ながら主将を任される理由は単純明快、3年生がいないからだ。

 昨夏は単独チームでの参加にあと1人足りず、都農との連合で選手権に出場した。初戦で敗退したが、延長戦までもつれる戦いを見せた。「レギュラーを争う感覚も、別のチームとの一体感も好きだけど、やっぱり次は単独チームで出てみたい」。そう思っていたものの、4人いた3年生は引退し、唯一の2年生は部をやめてしまった。

 残されたのは1年生3人だけ。真面目でツッコミ役の川野主将、元気印でムードメーカーの野田佳汰選手、マイペースでいじられ役の福永歩選手。たった3人の部活動が始まった。

 1人がやめたら、きっともう1人もやめてしまう。誰かがやめたらどうしよう――。考えていたことは3人とも同じだった。行き着いた結論は「誰もやめないように楽しい部活にしよう」。

     ◇

 できる練習メニューは限られるため、自然と走り込みが増えた。宮崎日大の「丸太ダッシュ」をまねて、校庭にあったブロックを持って走ったり、タイヤ引きをしたり。3人で声をかけあい、笑顔で走った。打撃練習は守備をつけられないため、外野に向かって打ちっ放しスタイルだ。飛んでいった球はみんなで取りに行く。

 「やばい、大阪桐蔭から誘われた」「絶対来ちょらんやろ」。3人で冗談を言い合いながら過ごす時間が好きだった。

 やる気になれない日もあった。誰か1人が練習に来ない時も無理には呼び出さず、戻ってくるのを待った。松田虎鯉夫(こりお)監督(55)は「そのうちやめて来なくなるかなと思ってたけど、のんびりゆっくりちゃんと続けてくれた」と感心している。

 そして4月、待望の新入生が5人入ってきた。未経験者もいて、レベルは決して高くなかったが、できる練習も増えてもっと楽しくなった。

 しかし、公式戦単独出場にはまだ1人足りない。そんな中、1年前に連合を組んだ都農が単独出場することを知った。「どうにかチームをつくってやりたい」と松田監督が校内の野球経験者に声をかけた。3人の「助っ人」が集まり、計11人に。単独出場できることが決まった。

     ◇

 少子化や部活動の多様化の影響で、高校野球人口は全国的に減少している。日本高野連によると、今年度の硬式部員数は10年前から6928人減の16万1573人。県内でも10年前と比べて加盟校数は4校減り、部員数は224人減の2090人となっている。部員の確保にあえぐチームは少なくない。

 本庄も以前はマンモス校だった。校舎には1997年に九州大会出場を果たしたときの記念の盾が飾られている。写真にはずらりと並ぶ40人の球児が写っている。充実の部員数に「見るたびにうらやましいなと思います」と選手たち。

 3人は高校に入ってから公式戦で勝った経験がない。勝つ喜びを感じたい。しかし新チームのレベルはまだまだ。「まずは1点を取りたい」と、静かな闘志を燃やしている。

 大切にしているものはありますか――。大会に参加する全49校の主将に聞くと、「先輩からもらったグラブ」「父が買ってくれたバット」といろいろな答えがあった。そんな中、この回答をしたのは川野主将だけだった。「仲間が一番大切です」(大山稜)

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