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バーチャル高校野球

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賛否呼んだ花巻東のカット打法 「勝利突き詰めた結果」

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 ■みちのく白球譜

(第95回全国選手権記念大会・準々決勝 花巻東5―4鳴門)

 相手エースの表情は回を重ねるごとに険しくなっていく。呼吸が荒い。「そろそろ試合が動く」。五回の攻防が終わった頃、花巻東の2番打者千葉翔太(3年)は直感した。

 六回表の攻撃。千葉が四球で出塁し、後続の岸里亮佑(同)の本塁打で2点を先制。だが、裏に3点を返された。七回の攻撃は無得点。ツーシームやカットボールなど多彩な変化球に苦しめられた。

 鳴門のエース板東湧梧(同)は、千葉が打席に立つたびに頭を悩ませた。156センチ、56キロと小柄ながら俊足巧打。追い込んでも、ボール球を見極められて三振を奪えない。何より、その「カット打法」に手を焼いた。際どい球はファウルで粘り、最後には四球で出塁をもぎとってくる。球数が増え、暑さで体力を奪われた。「どうやって終わらせれば」。途方に暮れた。

 千葉はこの試合で1安打4四球、5打席すべてで出塁した。板東が投じた163球のうち、千葉だけで41球を投げさせた。

 千葉のカット打法には賛否両論が出た。だが、千葉は「特にカットにこだわっていたわけではない」と振り返る。「走者がいなければ塁に出るのが2番の役割。チームが勝つために何ができるかを突き詰めた結果です」。2009年に4強入りした時のエース菊池雄星(西武)や1学年上の大谷翔平(日本ハム)のようなスターがいないチーム。なんとなく「勝てるだろう」と思って臨んだ12年秋の県大会は1回戦で敗退した。自分に何ができるのか、千葉は危機感を募らせた。

 小柄な千葉が自分に課したのは「打率より出塁率」。打撃練習の大半をバットコントロールに割き、決めた方向に打球を飛ばす技術を磨いた。カット打法はその一環で身につけた。

 1点を追う八回も千葉の打席で始まった。フルカウントからファウルで粘った。そして、8球目の直球は外角に外れた。

 千葉が出塁すると、打線が奮起した。5番多々野将太(同)の打球が一塁ベースに当たり、一塁手の頭上を越えた。千葉が生還し同点。その後の連打で突き放した。

 板東は言う。「千葉にやられた試合。もう一度戦い、リベンジしたいですね」

=敬称略、学年はいずれも当時(加茂謙吾)

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