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バーチャル高校野球

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「もう一度日本一になりたい!」早実・和泉監督、新年の声出し

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 ■しまっていこー 早稲田実

 1月7日、早稲田実のグラウンドの本塁に立ったエースが大声で叫んだ。「雪山幹太です。負けない投手になり、100回大会で優勝し、和泉監督を日本一の監督にします」

 2日間の補習授業を終え、この日が今年の練習初日。練習前に全員で目標を叫ぼうと雪山が発案していた。早稲田実の恒例行事ではない。「新年に向けて何かないかと動画で探していたらプロ野球キャンプの朝の声出しが出てきた。実際に言葉にするのはいいなと思った」と特別な日にしたかった。

 先頭を切った雪山に続いてチーム全員が思い思いの目標を大声に乗せた。そして、最後を締めたのは主将だ。「野村大樹です。最高の仲間と日本一になって監督を胴上げしたい。チームを全力で引っ張ります」と誓った。

 ところが野村が言い終わったあと、さあ練習開始かと思いきや5秒ぐらいの間ができた。野村が「このあと、どうしますか?」と言いたそうな目線をセンターで見守っていた和泉監督に送った。すると、「和泉実! 56歳! もう一度日本一になりたい!」と選手に負けない大声で返した。予定にはない行動。意表を突かれた選手たちは「おおっ」とどよめいた。

 ベンチに戻ってきた和泉監督は、「なんだか言わされちゃったよ」と照れ笑いを浮かべた。ただ、和泉監督はとっさの行動で選手にぐっと近づき、心のスイッチを押すことを度々する。一挙8得点で大逆転勝ちした2015年夏の西東京大会決勝では0―5の八回、円陣に加わり、選手を奮い立たせた。

 「監督が叫んだことに、それぞれが何かを感じたと思います。やってよかった。良い時間になったと思います」と雪山は喜んだ。

 この日は晴天。今夏の第100回全国選手権大会への出場を目指し、監督と選手が大声で意思疎通を図ったすがすがしいスタートだった。(坂名信行)