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バーチャル高校野球

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長野)高校野球、夏の大会もタイブレーク

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 日本高校野球連盟が「タイブレーク制」の導入を決めたことに、県内でも波紋が広がっている。春の県大会では1度あったが、夏は未体験。県内関係者の受け止めは、対応策は――。

 「タイ(同点)をブレーク(破る)する」狙いの試合促進ルールがタイブレーク制。この夏からは地方大会も甲子園も、決勝戦を除き延長十三回に入れば「無死一、二塁」からの攻撃に切り替わり、得点しやすくする。

 長野大会で過去10年間の計890試合をみると、延長十三回以降にもつれたのは14試合(別表)。記憶に新しいのが昨年の3回戦、佐久長聖―松本工だ。長聖は塩沢が力投し、松本工は筒井―北原の投手リレーで0―0のまま十五回に突入。押し出しの四球を得た長聖が、引き分け再試合の寸前でサヨナラ勝ちした。

 タイブレーク制に移行すれば、こうした試合展開に変化が出る。

 県内唯一の実例が2015年5月の春の県大会準々決勝、佐久長聖―長野商。この年から甲子園に直結しない春の大会限定でタイブレーク制が採用された。

 十二回を終えて8―8。先攻の長野商は十三回、送りバントで1死二、三塁としたが遊ゴロで本塁憤死。ここで重盗を仕掛け、三―本間で挟殺されて無得点だった。その裏の長聖は、相手の暴投で無死二、三塁と好機を広げ、中犠飛でサヨナラの走者が生還した。

 苦杯を喫した長野商の池田剛幸監督は「いかに走者を三塁へ進めるか、阻止するかがポイント」と話す。「同じ無死一、二塁でも、安打や四球といったプロセスを経た通常のケースと、いきなりのピンチとでは大違い。メンタルの強さが投手に一層求められる」

 一方、佐久長聖の藤原弘介監督は「夏の大会で採用となると、走者の位置やアウトカウントごとに設定をきめ細かく変えた練習をする必要がある」と言う。

 両監督は「投手の健康管理を考えれば、タイブレーク制の導入は時代の流れ」と話す。県内最年長72歳の中原英孝・ウェルネス筑北監督も「国際的にタイブレークが主流になってきている」と受け入れているが、「その一方で、寂しい気持ちもある」と語る。

 松商学園の監督として、1991年夏の甲子園3回戦で四日市工(三重)と対戦。延長十六回のサヨナラ勝ちでベスト8に進んだ一戦は球史を飾っている。

 「決着をつけるんだという延長戦ならではのスリリングな展開が、幾多の名勝負を生んできた。あの醍醐味(だいごみ)が忘れられないという野球ファンも多いのではないでしょうか」と話す。

 長野大会を運営する県高野連の依田和浩専務理事は「過去の例から1大会に1度はありうる。混乱しないように、ルール変更の趣旨や仕組みを周知させ、円滑に実施できるようにしたい」と話している。(山田雄一)

 ■長野大会過去10年の延長戦決着回

大          試 延 10 11 12 13 14 15

会(年) 優 勝 校 合 長 回 回 回 回 回 回

90(2008)松商学園  93 7 3 2 0 0 1 1

91( 09)長野日大  93 9 3 2 1 2 1 0

92( 10)松 本 工 93 10 3 1 3 2 0 1

93( 11)都市大塩尻 93 2 1 0 0 1 0 0

94( 12)佐久長聖  91 4 1 2 0 1 0 0

95( 13)上 田 西 88 7 3 3 0 1 0 0

96( 14)佐久長聖  86 5 4 0 1 0 0 0

97( 15)上 田 西 85 3 3 0 0 0 0 0

98( 16)佐久長聖  84 4 2 1 0 1 0 0

99( 17)松商学園  84 6 2 1 1 1 0 1

        計 890 57 25 12 6 9 2 3

※延長15回3試合のうち92回大会は穂高商―諏訪二葉の引

き分け再試合。98回大会の延長10回2試合のうち1試合は

赤穂―須商・園芸・創成の降雨コールド引き分け再試合。