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チームのために投げた…花巻東・菊池雄、背中で泣いた

2009年08月24日

(23日、中京大中京11―1花巻東)

写真花巻東―中京大中京 5回裏中京大中京1死、降板し左翼の守備位置に向かう花巻東の菊池雄(1)=杉本康弘撮影

 準々決勝で負った背筋痛は、背中全体に広がっていた。左肩も上がらない。花巻東の菊池雄は、意地だけで投げた。上り調子の中京大中京打線に、打ち砕かれた。

 2年生の吉田に先発を託した佐々木監督は、猿川を挟んで6回からエース投入と踏んでいた。だが、劣勢に投入が早まった。4回。0―3となり、さらに2死満塁。菊池雄がブルペンからマウンドへ向かう。甲子園は、この日一番の歓声と拍手に包まれた。

 左打席に3番河合。初球のスライダーが外れる。続いて外角直球。139キロしか出ない。勢いがない。伸びない。きれいに流し打たれた。走者一掃の三塁打。もう、痛みで直球を投げ込めない。

 5回。先頭の磯村に対し、すべてスライダーで空振り三振。続く伊藤には読まれていた。スライダーを右中間席へ運ばれた。いったんは左翼の守備に回ったが、6回からベンチに下がった。甲子園最終登板は、わずか11球だった。

 9回、最後の攻撃。真っ先に涙ぐんだ。試合直後のあいさつには、ようやく最後に加わった。ベンチに戻ると、うずくまって泣いた。

 「痛かったけど、弱さを見せたくなくて、言わなかった。みんなが信頼してくれたのに、最後までマウンドにいられなかった」。背筋痛がなかったらという思いはあるかと聞かれ、「チームのために投げてきて、それで痛めたので悔いはないです」。この言葉のあと、激しく泣いた。

 エースの意地は貫いた。ただ、東北勢初の栄冠は遠かった。(篠原大輔)


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