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声を振り絞って応援する今治北の野球部員たち=阪神甲子園球場で |
敗れはしたものの、最後まで粘りを見せた今治北ナイン。試合後、スタンドの前に整列した選手たちに、生徒や保護者らからは温かい拍手が送られ、「ありがとう」「最高だったぞ」といった励ましの声がかけられた。
試合開始の直後から、ブラスバンド部員の熱気あふれる演奏が始まった。同部は21日にあったアンサンブルの全国大会に四国代表として出場した強豪だが、甲子園での応援は初めて。常連校のレパートリーが載った楽譜を買って、25曲をマスターしてきた。顧問の竹内博昭教諭(42)は「甲子園という大舞台で部員も気持ち良さそうに演奏している」と満足そうな表情を浮かべた。
試合は0―0のまま回を重ねた。スタンド前列に陣取った控え部員たちのメガホンを握る手にも力が入る。中でも、ひときわ大きな声を出していたのが野球部OBの大学4年生渡辺正弘さん(22)。01年の愛媛大会に4番捕手、主将として出場した。木村匠監督からの誘いで15日からチームに合流し、臨時コーチを務めた。この日は試合前の守備練習でノッカーの大役に起用された。「夢だった甲子園の土を踏ませてもらった。恩返しをするためにも誰よりも大きな声を出したい」
秋田商に3点をリードされて迎えた9回表、今治北がようやく反撃。2死から1番の桧垣選手が同点打を放つと、スタンドは総立ちになった。桧垣選手の母厚子さん(47)は「あの子が打席に入った時は怖くて見ていられなかった。本当によく打ってくれた」と笑顔をはじけさせた。
最後はあっという間の決着だった。秋田商の走者がサヨナラのホームを踏むと、スタンドは静まりかえった。しかし、すぐに選手をたたえる拍手に包まれた。選手がベンチに戻っても鳴りやまなかった。「楽しかったね」「また、夏に来ればいい」。スタンドにいる誰もが晴れ晴れとした顔をしていた。