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体の軸安定・口のけが防止… マウスピース、球児に人気

2010年08月21日

 格闘技でおなじみのマウスピースを夏の甲子園で着けた高校野球の選手がいる。投球や打撃に欠かせない体の軸の安定が得られるという。日本高校野球連盟が今春、新たなアイテムとして初めて認めた。

写真聖光学院の板倉皓太選手のマウスピース=兵庫県伊丹市の野球場
写真マウスピースを上の歯にはめる聖光学院の板倉皓太選手=兵庫県伊丹市の野球場

 聖光学院(福島)の左翼手の板倉皓太君(3年)は、16日の履正社(大阪)戦を前に、兵庫県伊丹市のグラウンドでマウスピースを手にした。「もう、これは欠かせないものになっています」

 今春、業者から「無駄な力が抜け、本来の力を発揮できる」と薦められて購入。シリコーン製で、無色でぼんやりと透ける。初めて練習で着けて素振りをした瞬間、「今まで力んで歯を強く食いしばりすぎていたのが歯の感触で分かった」。チームの先発選手3人も同じ製品を使っている。

 12日、広陵(広島)との初戦の7回2死一、三塁で板倉君はマウスピースを着けて打席に立った。相手は今大会屈指の右腕・有原航平君(3年)。結局三振したが、追い込まれてから軽やかなバットさばきで4球ファウルで粘った。「以前の自分だったら力が入りすぎ、そこまで粘れなかった」

 マウスピースは北京五輪女子ソフトボール日本代表の上野由岐子投手やプロ野球横浜ベイスターズの村田修一選手らが使い、高校球界でも注目された。数年前から使う選手が現れ、学校側から「使っていいか」との問い合わせが増えたため、日本高野連は3月、「白または透明なものに限り使用を認める」と用具に関する規定で明文化した。

 メーカーのエポックエステート(東京)によると、奥歯のすり減りや口内の負傷を防ぐ上、かみ合わせが正常になることで頭の重量を支えるあごが安定。投球や打撃の際に体の軸がぶれないという。

 同社は、着けたまま会話をしたり水を飲んだりできるよう前歯の部分を薄くした。歯科技工士らが歯型を基に作るため、値段は市販品の約5倍の1個約1万円。それでも昨年、各地の選手から計約5千個の注文を受け、格闘技用の約2千個を上回った。

 「しっかり歯を食いしばることができ、足を強く踏み込める」と効用を語るのは、初戦で敗れた日川(山梨)の1番打者奥脇俊一君(3年)。山梨大会では苦手な左腕投手が登板する試合で着け、通算打率3割6分を記録した。

 初戦の相手、西日本短大付(福岡)のエースは左腕だったが、奥脇君は「甲子園の大観衆に見られるのは恥ずかしい」とマウスピースを着けなかった。結果は4打数1安打。それでも「自分らしさは出せたと思う」と話した。(藤田絢子、古庄暢、菊地雅敏)


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