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バレンタインデー 高級品「私にご褒美」

2006年02月07日18時44分

 2月14日、カトリックの聖バレンタイン記念日。世界各地でこの日、恋人が贈り物をしあって愛を誓う。日本では洋菓子メーカーが「女性から男性にチョコレートを贈る日」としてPRし、1960年代から広まった。「女性から愛を告白できる日」が「義理チョコ」を配る季節行事にかわり、近年はブランドチョコを自分自身のために買う女性が増えている。

 ◆有名職人、人気急騰

 アンリ・ルルー、ジャン=ポール・エヴァン、ピエール・マルコリーニ……。女性たちが握手を求め、サインをねだり、一緒にカメラに収まる。

 映画祭でもコンサートでもない。東京の伊勢丹新宿本店で1月25〜30日に開かれたチョコレートフェアの光景だ。

 「ショコラティエ」と呼ばれる30人のチョコレート職人が、フランス、ベルギー、イタリアなど11カ国から集まった。大半が自らの名前の店を持ち、1粒300円前後から500円の高級品を作る。

 同店は3年前から「自分で楽しむ本物を紹介したい」とこの催しを開いている。毎年売り上げを伸ばし、今年は昨年の4割増、6日間で2億円弱を売り上げた。

 「ひいきのショコラティエの新作を、というお客様も多いんです」とアシスタントバイヤーの上野奈央さん。中心は40歳前後の女性で、1人平均1万円買っていく。口コミで評判を広める力も持つ世代。買った品が気に入れば、フェア最終日の翌日から始まるバレンタインチョコ売り場にも足を運んでくれるという。

 ◆自分用、じりじり増加

 日本で最初にバレンタインデーを紹介したのは神戸の洋菓子店「モロゾフ」だと言われている。1936(昭和11)年、英字紙に「バレンタインにモロゾフのチョコレートを贈りましょう」という広告を出した。

 日本人向け商戦のスタートは58年。「メリーチョコレート」(東京都大田区)が伊勢丹新宿本店で「バレンタインデーフェア」と銘打って板チョコを売り出した。宣伝不足で売り上げは3枚、計150円だった。

 翌年は「女性が年に1度チョコレートを贈って愛の告白をする日」という売り文句を考え、チョコレートもハート形にした。それから、日本型バレンタインデーが広まった。

 プランタン銀座は98年から意識調査を続けている。この4、5年、「自分で食べるために買う人」が増えた。そこで03年からは「自分用も買うか」の質問を加えた。「買う」は03年が75%、今年は81%だった。

 広報担当の村上薫さんは、96年のアトランタ五輪がきっかけだったとみている。

 マラソンで有森裕子さんが2度目のメダルを取り「自分で自分をほめたい」と言った。以降、女性が「自分へのご褒美」として高額商品を買う傾向が強まった。

 「そこに、ヨーロッパの有名ショコラ店が次々に日本上陸したんです」

 ◆実は… 公式に祝う聖人は別

 2月14日は3世紀のイタリアの司教、聖バレンティヌスが殉教した日だ。英語読みでバレンタイン。伝説では、兵士の結婚を「士気が下がるから」と禁じたローマ皇帝に背いて恋人たちを結びつけ、皇帝の怒りをかって殺されたという。同じ日に殉教した同名の聖人がもう1人いると言われ、史実は定かでない。

 「恋人が贈り物をする習慣と、聖バレンティヌスの記念日に直接の関係はないのです」と言うのは、カトリック中央協議会典礼委員会の宮越俊光さん。2月中旬は古代ローマの豊作祈願祭にあたることも影響しているとみる。

 実は、カトリック教会がこの日に祝う聖人は公式には別にいる。第2バチカン公会議(1962〜65)を機に、9世紀にギリシャで生まれた聖職者兄弟の日に代わった。

 ただ膨大な数の聖人が並ぶ「聖人暦」にはバレンティヌスの記念日が残る。「ゆかりの地ではバレンティヌスを祝っているでしょう」と宮越さんは話す。

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