現在位置:asahi.com>暮らし>コラム>私のミカタ> 記事 健康に働く−−採用が変わってきた2007年02月07日 株式会社イー・ウーマン代表取締役社長 佐々木 かをり 健康問題への関心が、個人から企業へと移ってきた。その兆候は15年位前から聞こえてきていた。「採用しても、すぐに辞めてしまう」。そんな声を当時人事部から聞いた。よく聞いてみると、今までどおりの採用プロセスで選んだつもりだが、入社して2〜3ヶ月もすると、「通勤がつらいので辞めたい」「朝の早起きが続かない」などといった理由で退職を希望する人が出てきたというのだ。会社側は、採用試験において、「どんな仕事がしたいか」などを聞くよりも「一人暮らしの経験があるか」「運動はどんなことをしてきたか」などを質問して、体力や精神力、また自立心を確認するようになったと言っていた。
健全なココロとカラダ その傾向は減ることなく続き、ここ5年くらいは、うつ病などの精神病を持つ人や、病気までには至らないが精神が不安定でうまく仕事に取り組めない人が社内に増えてきたことが話題になるようになった。あるベンチャーには「お試し」のカウンセリングの売り込みがあったのだそうだ。「わが社には関係ないだろう」と思ったが、ためしに1ヶ月間、「会社側への報告はないので安心して受けるように」という前提で、社員に紹介メールを流したところ、なんと10分足らずで予約が定員いっぱいになってしまい、驚いたと聞いた。社員は、経営側が想像する以上に、ストレスをマネジメントできずにいるのだ。 今まで企業は、健康保険組合を通してのサポートと、健康診断、そして風邪薬や胃腸薬を常備していれば、社員への健康管理ができていたはずだった。しかし今は、社員のココロとカラダを常に健全な状態にしておくことが、会社のチームワークにおいても、生産性においても、倫理においても、成長性においても、一番の基礎になることが分かってきた。 体調管理をしていくための健康に関する研修、サプリメントやスポーツ、予防医学の考え方の導入。その取り組みは、観葉植物や空気清浄・加湿、照明、オフィスレイアウト、カラー、キッチンといった社内環境の整備といった視点から、ビジネスだけでなく考え方や時間管理、ビジョン探求などの研修、旅行や運動、リトリートなどのアクティビティ、休暇や労働時間などの人事制度の見直しなど、多様な視点ですすめる必要性が見えてきた。
生産性の向上 健康管理を見直していく動きは、労務的な視点にとどまらず、もはや経営戦略の一環となっている。男性が労働時間を短くし、「会社」という施設や仲間「以外」の人たちと違う場所でさまざまな体験をしたりすることが、その人たちの情報量も増やし、人脈も広げ、クリエイティビティも増すことになる。 最近のハーバードビジネススクールのレポートにも、睡眠と生産性に関するものがあった。男性も女性もしっかり眠り、体調を万全にして仕事をすることが、その人のパフォーマンスを100%発揮することになる、というものだ。 会社は、総生産力、成長率が高くするために、しっかり社員のココロとカラダの健康づくりのための環境を整えていく時代になったのである。 PR情報プロフィール
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