
南蛮渡来 甘い「素麺」
鶏卵素麺(福岡市)
2005年10月03日
黄金色の糸のような菓子・鶏卵素麺(けいらんそうめん)=写真。「素麺」のイメージからは想像がつかない味がする。口に運ぶと、卵黄のまろやかな甘さがとろけるように広がるのだ。漢字の名が付くが、生まれた土地は、ポルトガルとされる。
江戸の初期、長崎の出島へ出かけた松屋の初代・利右衛門は、点心や南蛮菓子の製法に通じた中国人・鄭(てい)氏に出会い、菓子作りを習ったという。伝授された内の一つが、鶏卵素麺だった。1673(延宝元)年、福岡藩に戻った利右衛門は、3代藩主・黒田光之にこれを献上。高雅な風味を気に入られ、藩の御用菓子商を命じられた。以来、将軍家への献上品などに重用されたという。
ポルトガルでは「フィオス・デ・オーボス」と呼ばれ、日本とほぼ同じ製法で作り続けられているという。ぐつぐつと沸騰させた糖蜜の中に、卵黄を糸のように細く流し入れ、固まったところを取り出して形を整えるシンプルな製法だ。糖蜜の温度、取り出すタイミングなどが職人の技の見せどころだという。
抹茶や濃いめのコーヒーとともに楽しみたい。
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(朝日マリオン提供)
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今週の名菓

鶏卵素麺(福岡市)
お取り寄せ
「松屋」(福岡市博多区上川端町)。「鶏卵素麺」は、卵と砂糖という明治ごろまでの高級品から作られているため、福岡地方では今でも高級な菓子というイメージが強いという。箱入り150グラム1050円から。同じ製法で作る「福寿草」(6個入り、1050円)は正月用に人気。栗を使った生菓子「三福」(1個、150円)も。電話かファクスで注文を。問い合わせは092・291・5244、FAX291・5419。
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