行列・閑散…ガソリンスタンド泣き笑い2008年04月01日12時35分 ガソリン税の暫定税率期限切れに伴うガソリンの値下げが1日、始まった。スタンドが数多く並ぶ東京都内の幹線道路沿いでは、早朝から客足の絶えない安値の店と、閑散とした高値の店とで明暗が分かれた。
◆東京 午前8時、ガソリンスタンド激戦区として知られる東京・世田谷の環8通り沿いのセルフ式の店は、店内12の給油レーンがすべて埋まった状態が続いていた。店頭には「レギュラー125円」の看板。前日より19円値下げした効果が早々と表れたらしい。 給油に訪れた会社員の男性(45)は「週に2、3回給油するので1円でも安いと助かる。安いうちに必要な分を確保しておきたい」と喜ぶ。だが別の会社員の男性(45)は「安いのはうれしいが、必要な税金は払う。ガソリン税を一般財源化し、福祉に役立ててほしい」。 値下げしたスタンドの客足は絶えないが、値下げをしていない店は、客足がまばらだった。前日と同じレギュラー147円の価格を続けるチェーン店は「ライバル店の値下げは気になるが、本部の指示がなければ動けない」と歯がゆそう。一方で、中にはレギュラー153円の「高値」の店も。「うちは高いけど、セルフ店と違ってサービスが売りだ」と強気の姿勢を見せた。 ◆大阪 「ガソリン 118円」。1リットルあたり25円値下げした大阪府泉佐野市鶴原1丁目の「丸新石油」には、午前7時の開店前から10台が行列をつくった。一番乗りした近所の合田勝哉さん(52)は満タンにした。配送の仕事で毎日、車を使う。「いつもは別のスタンドで給油するが、ここが一番安いと聞いて来た」 堺市西区のスタンドも19円値下げして129円で販売。会社員の山下真人さん(34)は、3月末まで千円分の給油でしのぎ、値下げを待っていた。「国の財政を考えると複雑だが、安いにこしたことはない」と満タンに。店員は「客は1円の違いにも敏感だ。周囲の店を調べて価格を再検討する」。 ◆名古屋 名古屋市名東区。東名高速名古屋インターに向かう約2キロの東山通はガソリンスタンドがひしめく激戦区だ。 午前10時。東山通沿いのスタンド。男性店長がレギュラー1リットルの価格表示板を「146」から「129」に差し替えた。在庫分が残るため17円の値下げにとどめた。午前10時に値下げに踏み切った店長は「この地域で下がらないと、他の地域にお客さんが流れてしまう」とあきらめ顔で話す。同日中には安いガソリンが届くことも見越して値下げに踏み切った。 社用車で訪れた男性は「会社から3月中は給油するなと言われていた。たまたま通りかかったら安くなっていたので」と話した。 約1キロ離れたセルフ式スタンドは、日付が変わると同時に1リットル120円台に下げ、客が絶えない。店員によると、初めてセルフ式を使う客も多いようだ。愛知県長久手町の男性は「ぐるぐる回ってやっと見つけた」と顔をほころばせた。 在庫分は値下げしないと決めている近隣の店も、周辺の動向には神経をとがらせた。ある大手系列の店長は「普段は向かいの店の価格を見るくらい。今日はインター近くまで行かないと」。 ガソリンで25円、軽油で19円下げた名古屋市中川区の24時間営業のセルフ式スタンド。午前7時過ぎから午前9時ごろまで常時5、6台の車が順番を待った。 午前0時に「レギュラー122円」を掲げると、1時間で54台が訪れた。一時は道路まで順番待ちの車が並んだ。安いガソリンは同日夕にも届く。それまでは赤字覚悟。責任者は「喜んでもらえるのはうれしいのですが……」。 給油に訪れた同市中川区の食品会社経営の塩野弘幸さん(56)は「安いにこしたことはない」。会社で20台の車を使っているだけに、「この値段なら1カ月で30万円浮く」と算段した。 愛知県阿久比町のセルフ式の店は午前0時に142円から119円に。ポリタンクなどを使って買いだめする客がいないか防犯用のカメラで監視した。 ◆福岡 国道3号が通る福岡県新宮町。道沿いにGSが軒を連ねる「激戦区」だ。ここでは1日から、レギュラーガソリン1リットル当たりの価格が「132円」と「145円」の店に分かれた。 あるGSは他店の動きを見てこの日朝、急きょ値下げを決めた。「客の入りが増え、満タンの注文も目立っている」と店長。通勤途中の男性会社員(35)はワゴン車を満タンにした。「値段が高い所にはどんなに急いでいても行きません」。この店は近く、さらに値下げする予定だ。 この店から約300メートル離れたGSは価格を据え置いていた。「客は少し減った。値下げ競争が激しくなっているが、会社の方針なのでどうしようもない」と店側はあきらめ顔だ。 他の地区も状況は同じ。福岡市中央区で24時間営業をしているGSも午前0時から値下げした。電光掲示板で値下げ価格が表示され、朝から客足が途切れない状態だ。所長は「昨日の倍は来ている。特に夕方は職場から帰宅する途中のお客が増えるのではないか」と期待する。 同市城南区の個人経営のGSは午前8時半の開店と同時に軽油だけ約17円値下げした。客はいつもの半分だ。この店を45年間経営してきた男性(76)は「今日は遊びよ」と吐き捨てた。「年金と少しのもうけで、食べていくのが精いっぱいなのに。政策のへまで末端が被害を被る」 PR情報 |