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主な出品作品


1851-52年 油彩・キャンヴァス テート蔵 Tate

1851-52年 油彩・キャンヴァス テート蔵 ©Tate

《オフィーリア》
幼くして天才の誉れが高かったミレイは、19歳で、硬直したイギリス画壇に反旗を翻すべく仲間たちと「ラファエル前派」という結社を立ち上げた。これは、ルネサンスの巨匠ラファエロを美の規範とするアカデミーに反発し、ルネサンス以前の画家たちの純真な制作態度に立ち返ろうとする運動で、多くの傑作が生み出された。なかでも《オフィーリア》はミレイの名声を確固たるものとした記念碑的な作品である。オフィーリアとはシェイクスピアの戯曲『ハムレット』に登場する悲劇のヒロイン。恋人ハムレットに父親を殺されて正気を失い、小川で溺死する死の劇的な瞬間が、緻密な細部描写と絢爛な色彩のうちに鋭く捉えられている。なお、この作品は英国留学中の夏目漱石に影響を与え、後に小説『草枕』の中で言及された。
1850-51年 油彩・板(マホガニー材) テート蔵 Tate

1850-51年 油彩・板(マホガニー材) テート蔵 ©Tate

《マリアナ》
ヴィクトリア朝最大の詩人、アルフレッド・テニスンがシェイクスピアの『尺には尺を』から想を得て詠んだ詩『マリアナ』(1830)に基づく。マリアナとは婚約者アンジェロに捨てられ、絶望の中で孤独な生活をおくる女性の名。ミレイはこの作品において、マリアナの閉ざされた心と性的な欲望との葛藤を巧みに表現している。
1849-50年 油彩・キャンヴァス テート蔵 Tate

1849-50年 油彩・キャンヴァス テート蔵 ©Tate

《両親の家のキリスト(大工の仕事場)》
ミレイによる初の本格的宗教画。大工である父ヨセフの仕事場で、幼いイエスが手に釘を刺す場面が描かれている。聖なる人物の姿においてもリアリティが追求され、生々しく描写されたことからこの作品は発表時に酷評された。しかし今日では、圧倒的なスケールと徹底的な写実により、大胆かつ繊細に描き出すミレイの手腕がよく発揮されたラファエル前派の代表作となっている。
1858年 油彩・キャンヴァス テート蔵 Tate
1868年 油彩・キャンヴァス 個人蔵
1869-70年 油彩・キャンヴァス テート蔵 Tate

1858年 油彩・キャンヴァス テート蔵 ©Tate

1868年 油彩・キャンヴァス 個人蔵

1869-70年 油彩・キャンヴァス テート蔵 ©Tate

《安息の谷間「疲れし者の安らぎの場」》
廃墟となったパースのキヌール教会の庭を舞台に、ひとりの尼僧が墓を掘り、もうひとりが黙想するように墓石に腰掛ける夕暮れ時の光景を描いている。《安息の谷間》とはメンデルスゾーンの合唱曲からとられ、信仰が永遠の報いを約束することを意味する。右端に置かれたふたつの黄色の花輪は結婚指への視覚的な言及であり、尼僧が死によってキリストと結ばれることを示唆するモティーフであろう
《姉妹》
1878年のパリ万博に出品した10点のなかのひとつ。ミレイは同万博で金賞を獲得し、その功績によってフランスよりレジオン・ドヌール勲章オフィシエ賞を授与された。モデルはミレイの3人の娘、メアリー、エフィー、アリス・キャロライン(キャリー)。統一された色彩の中に、主題と背景を見事に調和させるミレイの技量の高さが示されている。
《ローリーの少年時代》
エリザベス朝の偉大な探検家ウォルター・ローリーの少年時代を描いた作品。ローリーは船乗りが語る冒険譚に夢中になって耳を傾けている。船乗りのダイナミックな身振り、画面端の玩具の船や背後の異国の鳥は、ローリーの未来を予告するかのようだ。左のローリーをミレイの長男エヴァレット、右を次男ジョージがモデルを務めた。
1874年 油彩・キャンヴァス テート蔵 Tate

1874年 油彩・キャンヴァス テート蔵 ©Tate


1863年 油彩・キャンヴァス シティ・オブ・ロンドン、ギルドホール・アート・ギャラリー蔵

1863年 油彩・キャンヴァス シティ・オブ・ロンドン、ギルドホール・アート・ギャラリー蔵


《初めての説教》
ミレイがわが子をモデルに描いた最初の作品、当時5歳の長女エフィーがモデルを務めた。ロンドン郊外の古い教会で、幼い少女が信徒席にしゃちこばって座り、厳かな礼拝にふさわしい振る舞いをしようと懸命に努める様子を描いたこの愛くるしい作品は、ミレイが描いた初のファンシー・ピクチャーとして広く人気を博した。
《北西航路》
北西航路は北米大陸をまわり太平洋に出る危険に満ちた海路で、多くの探検家がこの海路に挑んだ。拳を握り、英国人による航海上の新発見を夢見る老船乗りは、愛国心の象徴として表される。老人と娘は、地図や海図、旗、望遠鏡など航海に関する様々な事物に取り囲まれている。
1872年 油彩・キャンヴァス テート蔵 Tate

1872年 油彩・キャンヴァス テート蔵 ©Tate

《ハートは切り札:ウォルター・アームストロングの娘たち、エリザベス、ダイアナ、メアリーの肖像》
ジョシュア・レノルズ作《ウォルグレイヴ家の淑女たち》(1780年)を手本とし、それを現代風にアレンジした作品。肖像画を注文した、美術収集家として知られる実業家アームストロングは、伝統的なものへの言及を通じて自らの社会的地位を高めようとしたとも考えられる。タイトルには、若い女性たちのハートを射止める求婚者が現れることへの期待もほのめかされている。
1889-90年 油彩・キャンヴァス ジェフロイ・リチャード・エヴァレット・ミレイ・コレクション

1889-90年 油彩・キャンヴァス ジェフロイ・リチャード・エヴァレット・ミレイ・コレクション

《露にぬれたハリエニシダ》
ミレイの後期の風景画のなかでも珍しく幻想的な作品。朝もやのなかで、露にぬれたハリエニシダの繁る樹木を照らし出す陽の光を見事に捉えている。ターナーとコンスタブルの後期の様式におけるロマン派の崇高性を復活させた作品であり、詩人テニスンの『イン・メモリアム』からとられたタイトルも、詩情と哀感性を添えている。



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