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デジタルジャーナリズム

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データジャーナリスト・インタビュー

デザイン編集

櫻田潤さん

データを組み合わせてインフォメーションにする
インフォグラフィックの世界(1/2)
インフォメーションデザイナー
櫻田潤さん

「たのしいインフォグラフィック入門」の著者でもある櫻田潤さんは、ウェブサイト「ビジュアルシンキング」で、インフォグラフィックの作品や関連記事、事例などを紹介し、インフォグラフィックの先駆者として活動している。インフォグラフィックの面白さはどこにあり、データジャーナリズムとどう関連していくのだろうか。櫻田さんに自らの作品や海外の事例を交えながら、話していただいた。

データビジュアライゼーションと
インフォグラフィックの大きな違い

櫻田さんが自らのウェブサイトであるビジュアルシンキングで公開している「グーグルが力を入れているサービスは? 買収企業を視覚化」は、ウィキペディアのデータを使い、Googleが買収・出資した企業は、Googleのどのサービスに統合されたのか、「買収・出資企業」と「統合先サービス」の関係を視覚化したものだ。

このコンテンツでは、買収した企業数でGoogleがどの統合サービスに力を入れているかが視覚化されている。モバイルサービス(緑)や広告サービス(黄)などに絞り込むことで、どの時期から何のサービスに力を入れてきたかもわかる。

「モバイルサービスだけを表示させると、Androidを買収した2005年くらいからモバイルを意識し始めていることがわかり、Google+に注目すると、ソーシャルに乗り遅れて、2010年以降から慌てて複数の企業を買収していることがわかります。読者からの反響も大きかった作品ですね」。

櫻田さんが最初にビジュアルシンキングのサイトを作ったキッカケは、2010年にP.F.ドラッカーの著書「マネジメント」を図解してまとめるためだった。その記事は、「ドラッカー図解:組織とは、マネジメントとは」などの、「ドラッカー図解シリーズ」としてサイトにまとめられている。デザイナーやプログラマーはあまりビジネス書を読まないと考えた櫻田さんは、図解して翻訳してあげる必要があると考えたのだ。「以前から、コミュニケーションを円滑にすることに興味があり、離れているものを結び付けることに関心がありました。図解がデザイナーとビジネスマンが話をする軸となり、コミュニケーションのハブになればと思いました」。

個人 – 組織・マネジメント – 社会の関係」をビジュアライズ。櫻田さんの「ドラッカー図解シリーズ」はKindleストアで電子書籍としても販売している。画像は、ビジュアルシンキングより

これらの図解を作っているうちに、海外ではどのような動きがあるのだろうと「chart」や「diagram」といった言葉で検索していた櫻田さんは、「infographic」という言葉に出会う。そして、インフォグラフィックの海外サイトを巡っているうちに気になったのが、「data visualization」という言葉だ。

櫻田さんは、インフォグラフィックとデータビジュアライゼーションは、似ているようでまったくの別物と説明する。インフォグラフィックは、さまざまなデータを組み合わせて情報を作り上げている。たとえば、「魚の値段」や「天気」はデータだが、「雨の日は魚が売れないので値段が下がる」というようにデータを組み合わせていくと、何らかの考えが導き出され、情報となる。一方で、編集的な意図を持たせずに、単純にデータを視覚化するのがデータビジュアリゼーションとなる。

櫻田さんの著作『インフォグラフィック入門』と名刺。ビジュアルシンキングの名刺には「せかいをまるくする」と書かれている

マーケティングだけでなく
ジャーナリズムでも使われている

インフォグラフィックは、新たなマーケティングの手段として登場し、ソーシャルメディアで画像がシェアされることによって注目され、海外では作り手も増えてきている。

「政治や経済の話題をインフォグラフィックにすれば、興味がない人たちを振り向かせることができます。また、インフォグラフィックを見た人がその話題に参加したり、ジャーナリズムを文字では語らなかった人たちが、絵で表現することで作り手として参加することもでき、多くの人がジャーナリズムに参加して、メディアが活性化されると思います」。

海外では、ホワイトハウスオバマ大統領の公式サイトでもインフォグラフィックが多用されている。インフォグラフィックを使うことで政策や考えがわかりやすくシェアされて、共感を得やすくなるという。また、マイクロソフトの「Project」というキャンペーンサイトもユニークな事例だ。「製品を宣伝するのではなく、宇宙ステーション建設や遺伝子解析などの偉大なプロジェクトをインフォグラフィックで紹介しています。海外では、単純な商品広告ではなく、ブランディングでも使われ始めています」。

人間がこれまでに行ってきた数々の偉大なプロジェクトがインフォグラフィック化された「Project

ジャーナリズムでもインフォグラフィックが使われている。英ガーディアン紙の「DATABLOG」では、単純なチャートを載せた記事も多いが、凝ったビジュアリゼーションを使った記事も公開されていると櫻田さんは言う。「他のニュースメディアでもデータジャーナリズムなどに取り組んでいますが、ガーディアンがすごいのはデータをダウンロードできるようにしていること。ガーディアンの記事に疑問を持った読者が、自分でデータを使って検証することもでき、非常にクリーンで最も進んだデータジャーナリズムの世界だと思います」。

櫻田さんが最近最も注目したのは、いかに劣悪なオリーブオイルが作られているかということをスライド形式で伝えるニューヨーク・タイムズの特設コンテンツ「Extra Virgin Suicide」だ。このコンテンツでは、最大3行の短い説明とインフォグラフィックでわかりやすい内容となっており、「この文字量とグラフィックの感じがいいですね。これくらいのサクサク感でニュースや社会的な課題を伝えていかなければならないと感じました。テレビや紙とは違った、ウェブならではの進化した使い方です」と櫻田さんは説明する。

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