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アイドルを投資対象として出資を募るファンドが発売されるという。無名から大スターになれば、一獲千金だが、そんなにうまい話なのだろうか。
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集まった5人の新人アイドルは、14〜21歳。水着姿の彼女たちに一口5万円(一人あたり500万円まで)で出資を募り、その資金で写真集とDVDを出す。売り上げの約1割が配当金として出資者に返ってくる――。
11月26日、投資ファンド会社「ジャパン・デジタル・コンテンツ(以下JDC)」が発表した「新人グラビア☆アイドルファンド」の内容だ。
12月中旬から発売されるそうだが、窓口となるのはインターネット証券の「ジェット証券」。JDC社長の土井宏文氏は、ジェット証券の会長もつとめる。
●大きい?アイドル市場
写真集とDVDは来年4月から2年間で、同社の関係会社などを通じてそれぞれ4タイトルずつ発売する。ただし一つのタイトルの実売数が1000枚を切ったときは、次からの発売はなくなる。
今回のアイドルファンドでは、元本の4割をJDC社が保証。仮に1冊も売れなくても、一口あたり2万円が戻ってくるという。
「今回は保証をつけているので、一つあたり1000本強売れれば、元本が戻ってきます」(担当者)
確かにアイドル市場は大きい。出版科学研究所によれば、昨年のアイドル写真集の総売り上げは推定で約130億円。出版点数は709点にのぼった。DVDの統計はないが、両者をあわせればかなりの市場規模だ。
●「ハイリスク商品」
過去の例をみると、アイドルではないが、“コンテンツ投資”という点では、マネックス証券(東京都)が00年11月からゲームソフト製作のファンド「ときめきメモリアルゲームファンド」を売り出して8億円近くを集め、約1%の配当を出した。
「すでに1、2作目が数十万本というヒットを出したという実績があったからできたこと」(担当者)
ミュージックセキュリティーズ(東京都)は、CDの制作費などの資金を調達するファンドで、9組のアーティストをデビューさせてきた。約13%の配当を出したファンドもある。同社は全国8000店舗のレコード店や1万5000タイトルのCD売り上げをデータベース化して分析している。
「きちんとした裏付けがないと、投資家に対して商品をアピールできないからです」(同社)
ただ、こうした成功例はまだ少なく、市場関係者は、「なかには元本割れした商品も多い」という。
アイドル研究家の北川昌弘氏は厳しい見方をする。
「アイドルイベントを定期的にチェックするような男性ファンは1000人強いる。アピールはしやすいだろうが、1カ月に2〜3人のグラビアアイドルが出てくる時代。最初は売れるでしょうが、その後が大変。5人のうち1人でも成功すればいいのではないでしょうか」
さらに、商品の説明にも注文をつける。
「どんなカメラマン、プロデューサーを使い、どういうコンセプトでどういうファンを対象にしたつくりにするか。そこまではっきりしてはじめて、写真集の品質を判断できる」(北川氏)
また金融界のプロも冷めた見方だ。UFJ総合研究所の山崎元主任研究員は手厳しい。
「対象自体が海のものとも山のものともつかないものだし、金融商品としては単にハイリスクというだけで、現段階では評価のしようがない。ファンクラブと思って購入するしかない」
この新商品は、アイドルのスキャンダルや引退など予期せぬリスクもある。普段では味わえない、アイドルのパトロン気分にひたれる夢は見せてくれるかもしれないが、よく見極めてからにしたほうがよさそうだ。
(編集部 福井洋平)
(12/10)
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