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【〈コラム〉経済気象台】
 
統計の使い方

 先般、内閣府より連鎖指数に基づく新しいGDP統計が公表された。新しい統計では、実質経済成長率は1%程度小さくなり、デフレーターの下落率も1%程度小さくなった。今回の統計作成方式の変更は、数字の変化幅が大きかったことに加え、第3四半期の実質経済成長率がほぼゼロ成長となったこととも重なり、統計作成という地味な問題に対する関心を高める効果があった。

 統計作成方式の変更は珍しいことではない。名目価格が不変でも品質が向上したと判定されれば、価格下落が生じたとして処理される品目が増えている。品質向上を物価指数に反映させる努力は、物価指数作成の目的が生計費を把握することであるとすれば望ましいものであろうが、そうした努力が物価指数への信頼性を高めているかどうかは必ずしも明らかではない。

 と言うのも、品目により品質向上の認識の難易度は異なるため、物価指数の変化が物価の実勢の変化を反映しているのか、統計作成者の「努力の変化」を反映しているのか判然としなくなるからである。仮に品質が一定であっても、企業による消費者の「囲い込み」が強まるとともに、一定の価格を想定することも難しくなっている。現に、11月の消費者物価の下落には、固定電話料金の割引サービスを新たに取り込んだことが大きく寄与したと言われている。金融政策との関係で言えば、そうした要因で低下した物価下落がデフレスパイラルをもたらすようにも思われない。

 統計は有用であるが、同時に、一定の約束事に従って作成せざるを得ないものであり、統計自体を批判するのは的外れである。統計を利用する際に大事なことは、統計の限界を認識し、どの程度の精度で利用できる代物かについて常識をもって判断することであろう。同時に、限界について見当をつけるために、統計の作成方法に関する情報が統計作成者から適宜タイムリーに提供されることも不可欠である。 (薫風)

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