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財政危機は身勝手な行動の免罪符ではない。このところの財政当局の行動には、首をかしげたくなることが多い。例えば、日銀では当座預金残高の維持が困難になり、一時的な下ブレを容認することや残高削減の声が出て、長期金利を押し上げている。これに対して、財務大臣は「デフレが続くのに、わずかでも金利が上昇すれば経済の負担になる」と、牽制(けんせい)した。そうであれば、自ら定率減税の縮小廃止を決め、増税論議することと矛盾する。
大量に発行する国債の消化が困難となると今度は為替相場に二枚舌を使う。一方で、経済の基礎条件に照らしてみれば、円高に向かう道理は無く、円高は行過ぎている、と言う。しかし、国債を海外の投資家に売り込む際には、為替は円高になるから、日本国債への投資には妙味がある、と説く。昨春までの巨額なドル買い介入は何だったのか。
さすがに消費税引き上げに際しては、自ら汗を流さなければ通らないと考え、国家公務員の給与を5%引き下げるとした。これでお茶を濁すのなら甘すぎる。この10年、民間企業はバブル後の処理に苦しみ、血のにじむ合理化を進めてきた。しかるに、政府はひたすら水膨れを容認してきた。この結果、政府部門の人件費や経費に相当する「政府最終消費」の名目GDPに対する割合は、20年前の13.5%から、昨年には17.7%に高まっている。
今日のGDPは約500兆円だから、この比率を20年前に戻せば、GDPの4%強、つまり年間20兆円以上も政府の経費が削減できることになる。こうした合理化努力もなしに、「欧米に比べて国民負担率がまだ低い」として増税を正当化させようとするが、治安や医療、教育など、公的サービスは欧米に比べて大きく見劣りする。まずは民間並みに合理化を進め、GDP比率で目標を明示すべきだ。それなくして安易な増税に出るなら、国民は厳しくチェックを入れねばならない。(千)
(03/08)
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