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【〈コラム〉経済気象台】
 
原油高は克服できる

 一時落ち着いていた原油価格が再び上昇を始めた。今回は米国産指標油種(WTI)だけでなく、実際に日本が多く輸入・消費している中東産原油にまで、価格上昇が及んでいる。これまで日本の原油輸入価格上昇は相対的に小幅にとどまっていたが、今後は上昇が目立ってくるだろう。

 原油価格の上昇や、同時に生じている原材料価格の上昇に直面している企業が最も懸念するのが、それらを製品価格に転嫁できないことからくる収益の悪化である。過去4年間の企業物価変動率をみると、素原材料が18%上昇しているのに対し最終製品は8%下落しており、原材料インフレ・製品デフレの中で、収益確保に苦しむ企業の姿が浮かび上がる。

 しかし、それが実際に企業収益を悪化させるかどうかは別問題である。過去のデータをチェックしてみよう。第1次石油ショック後73年から76年にかけて、素原材料物価は85%上昇したが、最終財物価の上昇は35%にとどまった。その結果、原材料コストの売上高比率は大きく上昇し、企業収益を圧迫した。しかし第2次石油ショック後(78年〜82年)は、素原材料が87%上昇する一方で最終財上昇率が13%と低水準にとどまったにもかかわらず、原材料コスト比率の上昇は小幅だった。つまり原材料コスト上昇を製品価格に十分転嫁できなかったのに、企業収益は悪化しなかった。それは、大企業よりも中小企業でより顕著だった。

 その背景には、省エネ・省資源製品・技術の開発による原材料消費原単位の向上や高付加価値製品・事業へのシフトによって、原材料コスト変動の影響を低下させた企業努力があった。今後も続くとすれば、業種によるばらつきは避けられないとしても、全体として収益への悪影響は大きなものにはならないという筋書きになる。原油高は中国やアメリカ経済にとって大きな脅威かもしれないが、日本経済にとって克服できない壁ではない。(山人) (03/11)




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