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ITバブル時には、インターネットによる金融取引を「やってみたい」という希望が先行していたと思われるが、最近、株式投資の状況を見ても分かるように、実際に「やっている」投資家が増加しているようである。
この背景には、ADSLを始めとした常時接続が可能な世帯数が1000万世帯を上回るなど、ブロードバンド・インターネット環境が整ってきたためであると考えられる。また、インターネットにおいては、目論見書や運用報告書、月次レポートをダウンロードできたり、金融情報もリアルタイムに世界中の情報が入手できるなど、能動的な投資家にとっては、金融機関の窓口と同等の情報を得ることができるのである。
銀行がネット上で投資信託の販売を開始したり、確定拠出年金においては、インターネット経由で売買指図が可能としている運営管理機関もあるなど、インターネットで投資信託を購入することに対して、敷居が低くなっていることもあげられよう。
さらに、2004年4月1日に証券仲介業制度がスタートすることも、投資信託のインターネット販売に拍車を掛けると思われる。昨年、仮想商店街大手の楽天がインターネット専業証券大手のDLJディレクトSFG証券を買収した上、自ら証券仲介業者となり、同社の専用投信を設定して、仮想商店街で販売を計画している。また、インターネット関連事業のライブドアが日本グローバル証券の買収を発表し、事業ポートフォリオの中に金融事業を描いている。今後、同社がインターネットを活用した証券取引も視野に入れているのではないだろうか。
このようなインターネット企業による証券仲介業への参入がどのような効果を生むかを考えてみよう。まず、証券取引の未経験者にリーチをすることが可能となろう。前述のアンケートにもあったように、インターネットで投資信託を購入する意向のある投資家は、現在保有している投資家がほとんどであり、投資未経験者の囲い込みができていないのではないのだ。
次に、投資信託を販売するためのコンテンツ作りに大きな変化が見られるのではないかと思われる。これまでは、銘柄検索が出来たり、目論見書や月次レポート等が見られるようになっている程度で、購入したいと投資家にインセンティブを与えるようなコンテンツではなかった。しかし、インターネット企業は、移り気なネットユーザーの心を捕らえる術に長けており、これまで、インターネットによる投信販売には見られなかったような演出も期待できるのではないか。実はこちらの効果の方が大きいと思われる。
勿論、証券仲介業者となるためには、社員に投資教育のみならず、外務員資格の取得やコンプライアンス研修、金融商品販売法の遵守等、超えなければならないハードルも高い。商品説明のための顧客相談窓口やコールセンターの設置等も必要となろう。しかし、証券会社や銀行などの販売会社が、一度はあきらめかけたインターネットによる投信販売が、証券仲介業制度のスタートがきっかけとなって、異業種が参入することで、再度、見直される可能性は高いのではないだろうか。
(03/30)
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