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  マネー  
【〈解説〉マネー】
 
消費者保護へ「投資サービス法」を検討 金融庁

 新しい金融商品が次々に登場する一方、不正販売や悪質な勧誘で被害にあう消費者が後を絶たない。金融分野の規制緩和で商品選択の幅は広がってきたが、リスクの高い商品の情報開示のあり方や問題の多い販売方法を規制する法律の整備が追いついていないからだ。批判が高まり、金融庁はようやく「投資サービス法」を検討し始めた。自己責任も求められる金融自由化時代の消費者保護には何が必要なのか。課題を探った。

     ◇            ◇

 複雑な金融取引を駆使した「海外商品先物オプション取引」、法規制や業者の監督が整備されていない「無認可共済」、上場見込みがないのに「上場する」と言って勧誘する「未公開株」、「ファンド」という呼称をつけた内容不明の金融まがい商品…。

 日本弁護士連合会は、多くの被害が出ている事例を指摘し、注意を呼びかけている。

 そうした問題商品の一つである「外国為替証拠金取引」への規制強化として、改正金融先物取引法が1日成立した。

 主な改正内容は、(1)業者は登録制(2)取引開始前の商品の特徴やリスクの説明の義務づけ(3)勧誘を求めていない人に対する電話・訪問での勧誘禁止、などだ。金融知識に乏しい高齢者などが無理やり勧誘されないようにした。

●金融被害続出

 この取引は、為替の値動きによって大きな利益が出る可能性がある一方、大きな損失を被る恐れもあるリスクの大きい金融商品だ。98年に外為業務が自由化されたのを機に登場したが、これまでは業者や販売方法を直接規制する法律がなく、業者数も十分把握されていなかった。

 この取引をめぐる国民生活センターへの相談件数は、00年の4件から03年には約1400件に急増。「もうかると勧められたが、全額消えた」「電話だけで契約したが、解約に応じてくれない」などだ。強引な電話勧誘や元本保証がないことの説明が不十分な例が多い。

 社会問題化した外為証拠金取引は、法改正で個別に歯止めがかかった。だが、その他の悪質取引の多くには、今なお法規制の「空白」状態が続いている。

 問題が相次ぐ背景には、金融の規制緩和がある。90年代後半、政府は英国などにならって金融市場の活性化を図るため、「日本版ビッグバン」を打ち出した。その結果、高度な金融取引を駆使した商品や不動産、農産物などを対象にした投資商品の種類が増え、新規参入業者も増えた。

●提案06年めど

 しかし、新たな金融商品や参入業者は銀行法や証券取引法などの既存の法律の対象外となり、問題が起きても直接規制できない。次々に出てくる金融商品に対し、個別商品ごとの法改正では追いつかない。

 こうした事態を受け、金融庁は投資商品全般に対し、販売方法や業者資格などのルールを定める「投資サービス法」の検討を始めた。金融審議会(首相の諮問機関)が来春までに方針をまとめ、06年の通常国会での法案提出を目指す。

 業者の資格基準を定めることや、商品のリスクの説明の義務づけ、強引な勧誘の禁止、違法行為に対する業務停止命令などの行政処分、などが検討されることになる。

●英国にお手本

 法案作りで、お手本になりそうなのが、英国の「金融サービス市場法」だ。詐欺行為や誤解を招く商品説明の禁止だけでなく、消費者からの苦情受け付け組織を作り、業者との紛争処理も制度化した。時間やコストがかかる訴訟になる前に救済を図る仕組みだ。

 英国では、預金と保険も含めたすべての金融商品がこの法律の規制対象だ。日本でもリスクの高い変額保険をめぐるトラブルが相次いだ例もあり、小林秀之・一橋大大学院教授は「銀行、保険、証券の垣根がなくなり、今後さらに商品が多様化する。金融商品全般を対象として消費者保護を徹底する金融サービス法が必要だ」と話す。

 金融審議会は99年、金融サービス法を検討したが、規制強化への業界や官庁の反発で断念した経緯がある。金融自由化と消費者保護の調和が問われることになる。

(12/06)




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