|
大和総研が、大企業296社を対象に企業年金の積み立て不足を調べたところ、直近の連結決算で前期比39%増の23兆4000億円に達していることがわかった。株や債券で運用している年金資産が、株価下落で目減りしたのが主因だ。このところの株価の反転では不足分解消にはほど遠い。
調査は「日経300」採用銘柄の中で、02年9月から03年3月の間に決算を迎えた大企業が対象。将来の年金支給に伴う債務と、現在の年金資産を比較し、引当金による穴埋めが必要なのに埋め切れていない「積み立て不足」の額を集計した。
内容を見ると、積み立て不足の増加率が前期比39%と高かったのは、年金制度を変更しなかった201社。
年金制度の変更に踏み切ることを決め、すでに厚生年金基金の公的年金部分を代行返上したものとして会計処理した64社は年金債務が大幅に減り、積み立て不足は6%増にとどまっている。代行返上を決めたが今回の決算では処理できない25社では、積み立て不足が76%も増えた。
厚生労働省によると、将来分についての代行返上の認可を受けた厚年基金の数は1日までに549に達した。日立製作所などは、代行返上とともに、市場金利に応じて運用利回りが変動するため積み立て不足が発生しにくい「キャッシュバランス型」年金への移行も決めている。
日経平均株価は一時1万円台まで回復したが、大和総研は296社の年金資産の増加は6月末で2兆円強と試算、「巨額の積み立て不足を解消する効果は微々たるもの」(年金事業開発部の松森宏文アナリスト)とみている。企業にとって年金債務の負担は重く、今後厚年基金の代行返上や、新型年金への移行がさらに加速しそうだ。
(07/12)
|