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2回にわたった厚生労働省の女性と年金に関する見直し案の特集に対して、多くの反響が寄せられました。サラリーマン家庭の厚生年金を夫婦で折半する案やパート労働者の厚生年金への加入拡大について、専業主婦や働く女性、離婚した男性など立場で意見は様々です。
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◇妻「家事分の正当な対価」 夫「共に稼いだ実感ない」
見直し案で反響が多かったのが、年金分割案についてだ。基礎年金に加えて報酬比例部分も夫婦で折半する考え方に対しては、専業主婦から支持する意見が寄せられた。
兵庫県加古川市の主婦(41)は「専業主婦は、夫が分担しなかった家事・育児をこなしているのだから、夫婦で年金を平等に分割するのは当然」という。
夫が高所得の場合、専業主婦の年金額が、パートで厚生年金に加入して受け取る額より高くなる逆転現象については、「パートの年金が低くなるのは低賃金だからで、正社員との待遇格差を改善する方が先。専業主婦と比べて不公平になるという問題ではない」と強調する。
一方、男性からの意見は疑問の声が目立った。
熊本県水俣市の男性(71)は「年金を分割するかどうか、どんな割合で分けるかは、それぞれの夫婦の事情で決めるべきだ。強制的に国が分けるべきではない」とする。
45年間勤めた会社を91年に退職。94年、専業主婦の妻に退職金を全額渡し、離婚した。結婚していた32年間、妻から暴言や暴力を受け、「共同で稼いだという実感がない」と男性。「分割案を全面否定しないが、家庭裁判所などで個別に話し合うことが必要ではないか」と話す。
大阪府吹田市に住む共働きの会社員女性(36)は「年金はあくまで個人のもの。夫婦で分割するのはおかしい。結婚しないシングルマザーや単身者は自分で働いて生活している。専業主婦が離婚した後の生活は、慰謝料や養育費の徴収の徹底などで保障すればいい」と疑問を示す。
◇「不公平」「実情に配慮を」――主婦の負担
厚労省は、分割で「保険料を納めていない専業主婦が基礎年金を満額受給できるのは不公平」との批判も緩和できるとしているが、そうした問題の解決にはつながらないという意見も多かった。
大阪府の無職女性(50)は、難病のため働くことができず親と同居している。働いていない場合は国民年金保険料を免除してもらうよう申請することもできるが、将来受け取る年金額が3分の1に減額されるため、親からの援助で支払っている。「生きるのに精いっぱいの私たちでも、保険料を納めるのは義務。専業主婦も保険料を払うべきだ」と主張する。
こうした意見に対して、専業主婦からは「家事や育児を労働として評価してほしい」といった声が多く寄せられたが、「保険料を徴収するにしても、個々の事情に配慮してほしい」という指摘もあった。千葉市の主婦(31)は「子育てが終わってパート勤めに出ることができる人もいれば、働きたくても小さな子どもの預け先がない人もいる。専業主婦の事情は多様なので、きめ細かな保険料を段階的に設定してほしい」としている。
◇「加入者増、見せかけだけ」――パート拡大
また、もう一つの柱であるパートの厚生年金加入拡大について、川崎市のファイナンシャル・プランナー横山誠郎さん(66)は「見かけ上の加入者を増やすだけで、ますます矛盾を拡大させ、制度を複雑化させる」と指摘する。
「パートから基礎年金の自己負担額にも満たない保険料を徴収するだけで報酬比例部分も支払うのは、保険の原則を無視している。小手先の改革で取り繕うなら、ますます国民に信頼されなくなる」と厳しい。
遺族年金制度の改革を訴える意見も多かった。
夫が自営業の主婦越智より子さん(29)=奈良県橿原市=は「自営業の妻は国民年金の保険料を納めているのに、夫が亡くなった場合、子どもが成人していれば遺族年金が出ない。サラリーマンの妻には出るのになぜ」と不満を示す。
東京都内の女性(71)は「夫の収入が低かったため、私が長年働いて得た年金と合わせてやっと1人分。私の遺族年金は、夫が高収入だった専業主婦より低くなる。先行きが不安だ」と制度の改正を望む。
◇厚労省の案◇
見直し案の柱は年金の夫婦分割と、パートなど短時間労働者の厚生年金への加入拡大だ。サラリーマン家庭の専業主婦は保険料負担を求められないが、年金は基礎年金部分(40年加入で月6万6000円)に限られている。見直し案は、厚生年金の保険料を夫婦で納めたことにして報酬比例部分を折半する考え方。
個人単位にして給付と負担の関係を明確にするのが狙い。世帯ごとの受給額は変わらない。夫婦が共に65歳になった時点で分割する案が有力。
パートの厚生年金加入拡大については、「労働時間が正社員の4分の3以上」という加入条件を緩和する。「週20時間以上」か「年収65万円以上」のどちらかを満たせば加入が可能になる案を軸に検討中だ。厚生年金の担い手を増やし、保険料を負担しないですむように働く時間を制限しているパート労働の現状を変えることが狙いだ。
(03/05/14 11:32)
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