|
年金改革関連法案は28日夕、衆院厚生労働委員会で野党が退席するなか、自民、公明両党の与党単独で可決された。与党は大型連休明けの5月6日にも衆院本会議で可決、参院に送る方針で、今国会での成立は確実だ。「抜本改革になっていない」として民主党が今月8日に対案を出し、採決に反対していたが、衆院統一補選の全勝などを背景に与党が押し切った。
28日の厚労委では、民主、共産、社民の野党3党が閣僚の年金加入実績の開示に政府・与党が応じないなどと反発して退席するなか、与党が質疑打ち切りの動議を提出、起立多数で政府案を可決した。民主党の年金改革法案は採決されなかった。
政府案は少子高齢化に対応するため、保険料を引き上げて、給付水準を抑制するのが柱。
厚生年金の保険料は現在の年収の13.58%(労使折半)から10月以降段階的に引き上げ、17年度以降18.30%で固定。国民年金の保険料(月1万3300円)も05年4月から引き上げ、17年度以降1万6900円で固定する。厚生年金の給付水準はモデル世帯(40年加入、夫婦2人分、妻は専業主婦)で、現役世代の手取り年収の59.3%から50.2%に下がる。
民主党は職業で異なる制度を一元化し、全額税で賄う最低保障年金と所得比例年金を組み合わせる法を提出。本格的な論戦が期待されたが、保険料や給付の水準など具体的な数字が盛り込まなかったこともあり、議論は深まらなかった。
◇ ◇
■政府の年金改革法案の主な内容■
●保険料
《厚生年金》年収の13.58%(労使折半)を04年10月から毎年0.354%幅ずつ引き上げ、17年度以降は18.30%で固定
《国民年金》月1万3300円を05年4月から毎年月額で280円ずつ引き上げ、17年度以降1万6900円で固定
●給付水準
《厚生年金》モデル世帯(夫40年加入、夫婦2人分、妻は専業主婦)で現役世代の平均的な手取り年収の50%以上(04年度は59.3%)を確保
●夫婦の年金分割
07年度から両者の合意や裁判所が認定した夫婦の離婚時に、会社員の夫の厚生年金の分割が可能に。08年度からは合意なしの離婚でも2分割が可能に
●子育て支援
育児休業中の年金保険料の免除期間が子どもが1歳になるまでから3歳になるまでに延長
●働く高齢者の厚生年金
60〜64歳は05年度から一律2割カットの制度を廃止。70歳以上は07年度から給与との合計月額が48万円を超える場合、超過分を半額カット
●国民年金保険料の未納対策
所得水準に応じて保険料の免除制度を多段階化。若者に対する保険料の納付猶予制度の導入
◇ ◇
■年金改革の日程■
04年
10月・厚生年金保険料の引き上げ開始(毎年0.354%幅ずつ)
・基礎年金の国庫負担引き上げ開始(09年度までに2分の1)
05年
4月・国民年金保険料の引き上げ開始(月額で毎年280円ずつ)
・無職、低所得の20代の国民年金保険料猶予制度が開始
・育児休業中の保険料免除期間が3年に延長(現行1年)
・60〜64歳の会社員の年金、一律2割減額を廃止
06年
4月・就業した場合の障害基礎年金と老齢厚生年金との併給が可能に
7月・国民年金保険料の減免制度を収入に応じて2段階から4段階に
07年
4月・合意や裁判所認定の離婚で、厚生年金の夫婦分割が可能に
・70歳以上の会社員の厚生年金を収入に応じて減額
08年
4月・会社員の夫と専業主婦の離婚で、合意なしでも夫の厚生年金の二分割が可能に
・保険料の納付実績や給付額の目安の通知開始
(04/04/28 19:01)
|