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   <特集>年金解剖学  
【401k・基本ABC】
 
基本ABC(32)資産移換の条件は? →年金からの移換では積み立て不足を解消しておくことが前提

  前回の説明の中で、資産を移換する際に条件がつくという話があったよね。どんな条件をクリアしなければならないの。

  歴史的な超低金利時代を背景に、多くの企業年金で、本来積み上がっていなければならない額より、実際に運用している資産の方が少なく、積み立て不足に陥っている。これが、積み立て不足というリスクから解放されるのが確定拠出年金が待望された理由でもある。年金資産から移換する際の条件は、「資産を移換する時点で、積み立て不足があってはならない」ということだよ。  このほか、退職一時金制度から資産を移換するケースも考えられるので、それは次回に説明する。

  年金からの移換の場合、どうして積み立て不足を解消することが大前提なのかな。

  厚生年金基金とか適格退職年金とか、確定給付型の年金に積み立てられた資産は、当然のことながら、企業が約束した給付のために最優先で使われるべきものでしょう。もし、積み立て不足のまま、資産を移したら、従来の年金を受け取る人の受給権を侵害することになってしまうからだよ。

  なるほど。具体的にはどうするのかな。

  制度によって、手続きや方法が変わる。まず、適格退職年金、厚生年金基金の場合は、二つの方法がある。  一つは、下図の上のように、積み立て不足を一気に埋め戻し、その後に一定部分を確定拠出年金に移す方法だ。何回かに分割して払うなどの逃げ道は用意されていない。必ず一括で拠出しなくてはならないから、それなりの財政負担を伴う。

  もう一つは。

  下図の下のように、積み立て不足分を減額してしまうという考え方だ。例えば、本来100億円積み立てていなければならない資産が目減りしたりして80億円しかないとする。一括拠出するような余裕がない場合に、そもそも積み上がっているべき資産は80億円だったと決めてしまう方法だ。これなら、企業側は移換にともなう新たな資金負担に悩むことはない。  ちなみに、前回の説明の中で、資産を一部移す場合と、厚生年金基金を解散したりして全額を確定拠出年金に移す場合の二通りがあると話したけれど、いずれの場合も「減額」あるいは「一括穴埋め」のいずれかの方法で積み立て不足を解消してから、資産を移換しなくてはならない。

  一括穴埋めは分かるけれど、減額は結局、受給権を侵害することになるんじゃないの。積み立て不足が深刻だからといって、その分減額してもいいというのは、きつい言葉で言えば詐欺的行為じゃないの。

  厳しいね。そのために、厚生年金基金や適格退職年金では、全加入者の3分の2以上の同意がなければ給付減額の措置は取れないなど、条件がついている。また一括拠出による穴埋めなどは、確定拠出年金への移行の場合しか認められないなど、条件は結構きついよ。  これまで確定拠出年金への移行のために、厚生年金基金を解散したりした企業では、やはりかなりの反発があったようだ。そのために、全従業員向けの説明会を開いて、丹念に説明して企業年金の危機を真剣に訴えて同意を得る、という作業が不可欠だね。

  ほかに条件はあるのかな。

  細かなことだけど、移換する場合、厚生年金基金や適格退職年金の場合、加入者がこれまで個人で拠出した掛け金を原資としている資産が明らかな部分は、移換することができない。  これは、日本の確定拠出年金企業型では、掛け金支払いが認められているのは企業のみで個人の拠出が認められていないという前提から決められている。

  あくまで、企業型は企業が掛け金を支払って成り立つもので、個人の上乗せ拠出は認めないという考えだね。

  その通り。  さらに細かなことを付け加えれば、資産を移換する場合、厚生年金基金や適格退職年金といった既存の年金制度に資産を残すか、確定拠出年金に資産を移すかの選択を、個々の加入者に任せてはいけない。つまり、社員Aさんの年金資産は確定拠出年金に移すが、それを嫌うBさんの資産は厚生年金基金に残すということはできない。

(10/10)




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