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   <特集>年金解剖学  
【401k・基本ABC】
 
基本ABC(37)想定利回りの重要性とは? →企業の拠出額にかかわってくる

  前回の表の中で、「想定利回り」という項目があるね。これは何を想定した利回りなのかな。

  確定拠出年金では、個々の加入者がさまざまな金融商品に投資して運用益を重ねていくのが基本だよね。ここでいう想定利回りは、加入者がどの程度の利回りを稼げるか、あらかじめ想定しておく率のことだよ。つまり、想定利回り5%といえば、企業からの拠出金(掛け金)を加入者が平均して年5%の運用益を出せるように投資できるだろうと、あらかじめ見通しておくわけだ。

  運用を始める前から、なぜそんな利回りを予想しておく必要があるのかな。

  どの程度の運用利回りが稼げるのかを見通しておかないと、定年までに積み立てられる年金資産がどの程度になるか、計算できない。年金は何十年も続けて積み立てていくわけだから、年間の利回りが1%違っても、複利効果が効いて最終の積み立て額は大きく違ってくる。

 大学を卒業して入社した人が定年時に3000万円をためておくために、年間2%で運用すれば、年間何万円の元金が必要か、はじき出せる。つまり、企業が加入者への拠出額をいくらにすべきかを決めるときの大事な要素になるんだ。

 多くの企業では、初めての企業年金として確定拠出年金を導入するわけではなくて、既存の企業年金や退職一時金からの乗り換えだろう。その場合、当然、確定拠出年金の目標額は、既存の年金制度の給付額を下回らないことが条件になるだろうから、モデルケースを検討するうえでも、想定利回りの設定は、最も駆け引きの難しい項目の一つになる。

  でも、確定拠出年金では、拠出額には限度があるでしょう。

  もちろんそうだけど、その限度額の範囲内で、どれだけ掛け金を払わなければならないか。想定利回りが高ければ、企業の負担は減るし、低ければそれだけたくさん掛け金を払わなくてはならない。逆に、社員の側からみれば、低く想定利回りを見積もってもらえれば、拠出額が増えてリスクが減るし、高ければリスクばかりが高くなるし。想定利回りをどの程度に置くかは、実際の制度設計では大事なポイントだよ。実際に導入した企業の担当者に聞くと、「想定利回りをどの程度に見積もるかが、労使協議の中の一番の争点だった」と振り返る人が多いよ。

  なるほど。実際に企業の負担に直に関係してくるから、大切なんだね。ところで、いまは歴史的な超低金利時代だけど、導入した企業では、想定利回りを何%くらいに置いているのかな。

  一概にはいえないけれど、2%から4%程度ではないかな。社員の年齢構成など会社の実情に応じてかなりの開きがあるのは事実のようだ。

  何を参考に決めるんだろう。

  一般的には、既存の確定給付型の企業年金で会社側が約束していた予定利率や、国債の過去数年間の平均利回りなんかが多いようだよ。

  労使間の駆け引き材料になるんだろうね。

  実際の例を聞くと、相当もめることも珍しくないようだ。今後、何十年にもわたって、その数字に縛られるわけだから、無理もないけれど。社員が金融商品の運用に慣れていないから、という理由で、初年度だけ想定利回りを低くして、企業が払う拠出額を増やし、労組をなだめた例もあるようだよ。

  でも、定年までそれに縛られるから、いい加減な理由では決められないよね。

  そうだけど、将来の金利動向なんて、神のみぞ知るだからね。ただ、留意しなくてはならない点は、いくつかあるよ。

  それは何?

  一つは、今は凍結されているけれど、確定拠出年金の積立金には、特別法人税(1.17%)が課税されるということ。もし凍結が解除されたら、課税された分だけ資産が目減りすることを頭にいれて、想定利回りを検討しなくてはならない。

  もう一つは。

  制度の運営に関わる事務費が、馬鹿にならないということだ。一説には、一人あたり年間5000円から7000円程度とも言われている。今のような低金利では、安全な元本確保型の商品に投資しているだけでは、この事務費すらまかなえず、実質的に積み立て資産が目減りしてしまうこともありうる。だから、事務費を会社と個人がどの程度の比率で負担しあうのか、きちんと検討したほうがいい。想定利回りは低いけれど、事務費は全部個人負担なんていう制度にしたら、実質的な社員の負担が極めて大きくなることなどを考えに入れておかなければならない。

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