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証券界で長年くすぶっていた業界団体の再編問題が来年5月に決着する見通しとなった。日本証券業協会(日証協)が15日の幹部会議で、市場振興(業界団体)と自主規制という利益相反が指摘されていた業務を、協会内で分離する方針を決定。もう一つの業界団体、東証取引参加者協会(東取協)は解散する可能性が高まり、東取協がまとめていた政治献金は証券各社が個別に対応する方向で調整が進んでいる。
●組織再編
「市場振興(業界団体)と自主規制の両機能は車の両輪だ」。日証協の越田弘志会長は最近、業界団体再編論を尋ねられるたび、こう強調してきた。日証協がもつ機能のうち業界団体部分を分離させ、東取協と統合させる案が一部の中小証券から浮上していたためだ。
日証協が15日にまとめた再編案は、業界団体の担当を「市場振興部門」、証券会社の財務や営業行為を監視する「自主規制部門」に組織内で分離する方式を取り入れ、分割論を退けた。5月の総会で組織改正の定款変更を予定している。
日証協や大手証券は「現場を知る業界自身が自主規制のルールを制定、運用した方が効果的」と別法人に分割しない理由を語る。だが、今回の見直しは組織内再編にとどまるため、利益相反の解消が外部からは見えにくい。運営、人事などの面でどこまで厳密に分けられるか不透明だ。
●政治献金
もう一つの業界団体、東取協に業界機能を移そうという案にも裏事情があった。東取協は東証で取引する証券会社の親睦(しんぼく)を目的とする任意団体。日証協は直接は政治献金ができないため、「窓口」の役割を果たしてきた。
ところが、外資系証券の相次ぐ脱退で財政難に陥った。東取協は資金対策として「全国証券連盟」に名称を変更して全国組織に拡大して財政面を強化し、献金先を政党ではなく政治家個人に手厚くするなどの改革案をまとめた。
だが、政治献金の見直しは、大手証券の反発を買った。東取協は兜町の中小証券の発言力が強いといわれるが、ある大手証券首脳は「会費を多く負担しているのは大手証券で、中小が勝手に献金先を決める権限はない」と憤る。
東取協の田村謙会長は15日、日証協の幹部会議に出席し、自らの改革案を報告した。だが、大手など出席した証券各社トップからは「日証協と業務が重複し、両方に加盟している理由を株主に説明できない」などと批判が相次いだ。東取協は16日に自らの改革案を発表する予定だったが、急きょ中止せざるを得なくなった。業界では「自然消滅は時間の問題」との見方が強くなっている。
(03/12/16 08:40)
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